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11-10-29

BONSAI~盆栽

  • チリの若手監督の青春映画。文学青年の甘酸っぱい思い出。

 作家志望の青年フリオはタイピストを探していた小説家のガスムリと会う。不採用が決まる前に恋人のブランカにその話をしてしまい、雇われているふりをするため、自分で小説を書いてそれをガスムリのものだと嘘を付くことに。そして、その題材として8年前のエミリアとの恋を思い出す…
 チリの若手監督クリスチャン・ヒメネスの劇場用第2作。若者らしい悩みをしっとりと描く。

bonsai

 この映画の舞台は今と8年前、今の主人公は小説家志望ながら本屋で働いたり、家庭教師をしたりしているいわばフリーターで、向かいの部屋に暮らす女性ブランカと恋人のような関係にある。それに対して8年前の主人公は文学を学ぶ内気な青年で、同級生のエミリアと熱烈な恋に落ち、恋に邁進する。

 そのリアルな今と甘酸っぱい青春の対比というのが基本的にこの映画のミソで、どちらも独特な面白さがあって悪くないのだが、なんだかこう「悪くない」という範囲を出ず、「面白い」と思える部分があまりないという印象を受けてしまった。

 8年前のその恋がどうやって終わったのか、小説を書き終えた時フリオはどうするのか、というそれぞれの結末に向かって物語は展開し、それがあることで物語としては興味を引き続けることができる。

 しかし、それ以上のものがないというか、端的に言うと8年間の断絶が余り生かされていない。こういう2つの時間が並行する物語というのは、主人公の変化や主人公が知らなかった事実が明らかになることで2つの時間軸が混じり合い、そこから面白さが生まれてくるものだが、この映画の場合はどちらもフリオの主観でしかなく、それぞれの物語は面白いのだが、その間の化学反応のようなものがない。

 かろうじてブランカが小説に対して述べる意見によってフリオが8年前の自分の行動を振り返ったりするというのはあるけれど、今度はそれが現実に反映される場がないのだ。最終的には、フリオはエミリアの親友のバルバラと8年後の時間で再開する。しかし、そこから物語がスピードアップするようなことはないのだ。

 最後にタイトルになっている「盆栽」が登場し、そこに比喩的な意味が付与されるわけだけれど、その部分も今ひとつ理解できなかった。

カテゴリ: 2010年代, アメリカ大陸, チリ, フランス, 映画祭

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