ルーブルの怪人
2003/1/3
Belphegor - Le Fantome du Louvre
2001年,フランス,97分
- 監督
- ジャン=ポール・サロメ
- 原作
- アルチュール・ベネド
- 脚本
- ジェローム・トーネル
- ダニエル・トンプソン
- ジャン=ポール・サロメ
- 撮影
- ジャン=フランソワ・ロバン
- 音楽
- ブリュノ・クーレ
- 出演
- ソフィー・マルソー
- ミシェル・セロー
- フレデリック・ディフェンタール
- ジュリー・クリスティ
1935年、エジプトで新たなミイラを発見したデフォンテーヌ教授の調査隊はそのミイラをルーブル美術館に運ぶために船を急がせた。しかし、その船の中で謎のウィルスが発生し、船員は次々と自殺、教授も謎の死を遂げた。
およそ60年後、ルーブル美術館の中庭の工事の最中にそのミイラが発見される。未知の収蔵品の発見に館長をはじめとして色めき立つが、そのころから“ルーブルの怪人”と呼ばれる謎の黒い影が夜のルーブル美術館に出現し始める。
また、ルーブル美術館の目の前に住むリザは唯一の肉親である祖母をなくし、悲嘆にくれる…
ルーブル美術館が初めて撮影に全面協力したというサスペンス映画。たしかに、モナリザやサムトラ家のニケをはじめとしてルーブルの名品が画面に登場するが、それ以上何かがあるわけでもなく、サスペンスとしても並。
いわゆるフランス映画のイメージから抜け出そうとしているフランスからは、最近いろいろな映画が届く。その代表はアクション映画だけれども、この映画のようなフランス映画っぽい気もするけれど、ちょっとハリウッド風でもある映画というのもある。この映画はエジプトが題材ということもあって『ハムナプトラ』を思い出させ、この映画のほうがきちんとしているという気はするけれど、映画の面白さとしては『ハムナプトラ』が数段上。やはり付け焼刃のハリウッド風では本格ハリウッド映画にはかなわなかったということか。
結局のところこの映画の売りはといえばルーブルということになってしまう。タイトルバックにルーブルの中庭の改築の映像(本物にちゃちい石棺のCGを合成したもの)が入ることからしてもルーブルの、そしてルーブルへの肩入れが感じられる。ルーブルに行ったことがある人なら、「これはあそこの展示室だ」なんていいながら見ることができるでしょう。
映画としてのよい点はといえば、館長とイギリスから来た教授と捜査官のキャラクターでしょうか。館長のとにかく利益優先のキャラクターというのは定型的で映画をうまく転がすのに役立つし、それを含めた3人の老人(熟年?)の恋愛を含めた関係性というのはフランス映画でなくては描けないものだという気がしました。ハリウッドでこれをやるとなんだか変態じみてしまうか、小学生の恋愛みたいになってしまうけれど、フランス映画は老人であっても恋愛を非常にうまく描く。というところがこの映画のよかったところ。
あとは、『TAXi』シリーズの警察官役のフレデリック・ディフェンタールが主役級で出ているのが少しうれしかったくらいでしょうか。そして、ソフィー・マルソーはいったいいくつの設定なのか? 見た感じでは30前後の設定と見ますが、実際の年齢はいくつ?