エース・ヴェンチュラ
2003/1/4
Ace Ventura: Pet Detective
1994年,アメリカ,89分
- 監督
- トム・ジャドヤック
- 脚本
- ジャック・バーンスタイン
- トム・ジャドヤック
- ジム・キャリー
- 撮影
- ジュリオ・マカット
- 音楽
- アイラ・ニューボーン
- 出演
- ジム・キャリー
- コートニー・コックス
- ショーン・ヤング
- ダン・マリーノ
- トーン・ロック
- ジョン・カボダイス
- ウド・キア
宅急便配達人のふりをして見事に犬をさらってきたエースはペット探偵、今は報酬2万5000ドルの白い鳩を追っている。そんな時、スーパー・ボウル出場を果たしたマイアミ・ドルフィンズのマスコットイルカがさらわれる。その捜索に頭を痛めた球団スタッフはオーナーの秘書の勧めでエースに話を持っていくことにするが、エースと仲の悪い警察にも話が行っていたため騒動になってしまう。
いまや押しも推されぬスターとなったジム・キャリーの映画初主演作、いまはなんだか演技はじみてきてしまったけれど、このころはまだは茶めちゃお下劣パワー全開という感じでとにかくくだらなく、笑える。
やはり若いジム・キャリーには勢いがある。少々理不尽なことがあっても勢いで笑い飛ばして、観客に疑問を抱かせない力がある。たとえば精神病院からどうやって出てきたんだなどという疑問が今なら浮かぶけれど、見ているときにはそんなことは頭も掠めない。
ジム・キャリーの面白さは基本的には顔芸で、ギャグといえるようなものはなく、上等な芸ではないけれど、それでも笑ってしまう。それに顔芸は言葉に関係ないからどこでも受ける。ミスター・ビーンなんかもそうだけれど、言葉に頼らずに自分の体だけで笑いを生み出せる人って強いと思います。ウィットとかヒューモアなんてものはかけらもないけれど、くだらなく面白い映画が少ない昨今、こういう映画は貴重なのです。私としてはジム・キャリーがトム・ハンクスの二番煎じのようにシリアスドラマのほうに行ってしまうのは残念でなりません。
さて、ジム・キャリーについてはそんなところですが、映画ファンとしては、この映画の音楽に注目したい。あの映画やこの映画の音楽がちらほらと使われていて、パロディというわけではないけれど、映画ファンの笑いを誘う。一番わかりやすいのは『スパイ大作戦』ですが、この映画が作られたのは『ミッション・インポッシブル』より前でした。他にもあったんだけど… 完全なパロディとなるとあまり笑えないけれど、こうやって映画をうまく使うのはありだと思います。 あと、アメフトファンとしてはもちろんダン・マリーノですが、ダン・マリーノは結構映画に出ているので、それほど注目ではありません。むしろ私が驚いたのはドン・シューラ、NFLの歴史に残る名ヘッドコーチがこんな映画に出てしまうんだ(しかもセリフつき)という驚きがありました。アメフトファンの人は探しましょう。
ちなみに、第17回スーパー・ボウルにドルフィンズが出場し負けたのは事実ですが、逆転のフィールド・ゴールをはずしたという話はありません。逆転のフィールド・ゴールをはずしたといえば、第25回のビルズのスコット・ノーウッドが有名で、これも何かの映画で出てきていました。ナンだったかなぁ…
まあ、アメフトの話はいいんですが、この映画は(特にアメリカ人には)楽しみどころが多く、ここからジム・キャリーがスター街道を駆け上がったというのもわかる気がします。この年ジム・キャリーはこの作品に加えて、『マスク』と『ミスター・ダマー』に主演しているので、まさに一気に大ブレイクというところですね。ちなみに“モニカ”のコートニー・コックスはフレンズのファースト・シーズンとセカンド・シーズンの間にこの映画に出たようです。