月のひつじ
2003/1/11
The Dish
2000年,オーストラリア,102分
- 監督
- ロブ・シッチ
- 脚本
- サント・シラウロ
- トム・グレイスナー
- ジェーン・ケネディ
- ロブ・シッチ
- 撮影
- グレーム・ウッド
- 音楽
- エドマンド・チョイ
- 出演
- サム・ニール
- ケヴィン・ハリントン
- トム・ロング
1969年、アポロ11号が月に向って打ち上げられ、その模様が全世界に中継されることになった。その中継にはアメリカのみならず世界中のパラボラアンテナが動員され、オーストラリアの田舎町パークスの牧羊地の真ん中にポツリとあるアンテナもそのように供されることになった。さらに、打ち上げ直前、パークスのアンテナが人類初の月面歩行の中継に使われることが決まり、パークスは町を上げての大騒ぎになる…
現在もオーストラリアに聳え立つパークスの巨大アンテナにまつわる本当の話を映画化したもの。ほとんどのシーンがパークスで撮影されている。
アンテナの上で、クリケットをやるシーンを見て、あまりにオーストラリアのイメージどおりなのでびっくりする。オーストラリアの映画であまりにオーストラリア人らしいオーストラリア人が出てくる。となると、やはりオーストラリア人はイメージどおりなのか…
アメリカからやってきたNASAの人(アル)とパークスの技術者(ミッチ)の対立は、まさにオージーの側からオージーの価値観と欧米の価値観の違いを描いたもの。オージーはやはりのんびりしていて、マイペースで、そしてしょっちゅうお茶を飲む。しかし、仕事に自信を持ってもいる。でも、自分で月に行こうとはせず、アメリカ人が月に行ったのを中継して喜んでいる。オージーとはそのような人たちだとこの映画は語る。
この映画は「これがオーストラリアさ」とさらりと主張する。オージーの宣伝というか、宣言というか、オーストラリア以外の人に向けてオーストラリアというものを見せようという意図がこの映画には感じられる。
ところで、先日「月面着陸は嘘だった」というテレビ番組を見まして、アメリカでも話題になっているらしいんですが、月面で国旗がはためくのはおかしいとか、着陸船の下にクレーターができていないのはおかしいとか、いろいろな例証をして、実はNASAの秘密基地にあるスタジオで撮影したものだと結論付けている番組です。その番組を見たときは「やっぱり嘘だよねぇー」と思ったんですが、この映画を見ていると、着陸したというのもまんざら嘘ではないんじゃないかという気にさせられます。NASAならだますかもしれないけど、オーストラリア人は人をだましたりしない! という気になってくる。
しかし、このパークスのアンテナの人たちまでだまされていたということも考えられます。月周回軌道までいって、撮影したフィルムを地球に向かって送るというようなそんな手の込んだこともNASAならしそうなもの。少なくとも失敗したときのために、送信用の映像は撮っていたんじゃないかと思います。あの時世界中の人たちが見たのが、あらかじめ撮影されたものなのか、それとも実際のつきの映像なのかはわからないけれど、とりあえずアポロから送られてきた映像であるということは信じることにしました。
何のことやらわかりませんが、月はロマンだということです。30数年前も今もつきはロマンのままあると。そのような感想でした(なんのこっちゃ)。