パコダテ人
2003/1/24
2001年,日本,82分
- 監督
- 前田哲
- 脚本
- 今井雅子
- 撮影
- 浜田毅
- 音楽
- 山本姫子
- 出演
- 宮崎あおい
- 大泉洋
- 萩原聖人
- 徳井優
- 松田美由紀
- 松田一沙
函館に住む高校生のひかるのお尻に突然尻尾が生えてきた。家族にも隠してとりあえず学校に行ったひかるは親友の千穂にだけ打ち明ける。ひかるはその日デートするはずだった隼人にうまく言っておいてくれるという千穂を信じて家に帰る。 廃刊寸前の函館タイムズのカメラマン早川がひかるの尻尾がスカートからのぞいたのをたまたま撮影し、スクープだといって編集長のところに持っていくが相手にされない。
保育園児の娘と二人暮しのサラリーマン古田のお知りにも尻尾が。古田もまわりにばれないようにすごそうとするが、娘には見つかってしまう。
函館を舞台に尻尾を巡るドタバタ騒動が巻き起こる。函館港イルミナシオン映画祭で準グランプリに輝いた今井雅子の脚本を北海道と函館市の全面協力のもと製作したご当地ムービー。
映画としては他愛もないものです。ハコダテ人に尻尾が生えてパコダテ人という、ただそれだけの発想(その発想自体は面白いけれど)で映画を一本とってしまったという勢いの映画です。
それでも途中まではメディア批判なんかをこめた映画なのかと思わせるむきもあったわけですが、それも終盤のありえなさによって一気に崩れていく。
尻尾が生えてくること自体はそんなに「ありえない」という感じはしないし、それはすごく面白いのだけれど、そのことに無理やりつじつまを合わせようとしてしまうところにこの映画の最初のつまずきがある。尻尾が生えることの理由は問わずに済ませたほうがシンプルで面白映画に出来たような気がする。
尻尾が生えてくることはありえないと感じさせないにもかかわらず、他の部分でありえなさを感じてしまう。それは終盤のほうの出来事なのでかけませんが、「そりゃねーよー」という脱力感さえ覚える結末がまっているので、どうにもこうにもね。ストーリー展開の読みやすさも手伝って最後の30分は退屈でたまらない感じ。
前半60分と後半30分に分けると、前半は☆3.5、後半は☆0.5という感じです。
まあ、まだ売り出し中の宮崎あおいということで、玉石混交いろんな作品に出るということでしょう。もう子役とはいえませんが、なかなかいい役者っぷりを発揮しています。宮崎あおいファンではなくても見る価値はあるかも…