プリティ・リーグ
2003/5/17
A League of Their Own
1992年,アメリカ,125分
- 監督
- ベニー・マーシャル
- 原作
- キム・ウィルソン
- ケリー・キャンディール
- 脚本
- ローウェル・ガンツ
- ババルー・マンデル
- 撮影
- ミロスラフ・オンドリチェク
- 音楽
- ハンス・ジマー
- 出演
- ジーナ・デイヴィス
- ロリ・ペティ
- マドンナ
- トム・ハンクス
- メイガン・キャヴァナ
オレゴンの田舎でソフトボールに興じる姉妹、姉のドーティはセンス抜群だが、妹のキットはいつも優等生の姉のおまけのように扱われている。そこにプロの女子野球リーグの選手を探しているというスカウトが現れる。スカウトはドーティを誘いに来たのだが、キットが半ば強引に説得し、あまり乗り気ではない姉とともにシカゴにプロテストを受けに行くことに…
第2次大戦中に実際に誕生した全米女子プロ野球リーグをモデルにした、女性のスポコンもの。姉妹を主人公にすることで家族の問題を中心とした感動ものという要素を強め、一般受けするものになっている。
この映画は面白いんですが、全体的に観ると、何かこう記憶に残らないというか、ここがいいというところがないというか、すべてにおいて及第点というか、そういう印象ですね。
出ている女優たちもなかなかいいし、マドンナなんかは他の作品と比べるととてもいいわけですが、誰か印象に残ったり、ブレイクを予感させたりするかというとそういうわけでもない。
その原因を探るに、ふたりの姉妹を主人公にしてはいるものの、野球という性質上、登場人物が多く、一人一人の存在感が薄れてしまうというのはあるでしょう。特に脇役にマドンナが配役されていて、それだけでかなり焦点がぼやけてしまう。しかも、配役として主人公のふたりが他のチームメイトに比べて図抜けて魅力的というわけではない。しかも準主役にトム・ハンクスがいて、どっぷり映画のプロットにカラムというわけでもなく、微妙な存在としている。そのあたりの全体的なメリハリのなさがイメージの薄さにつながっているのではないかと思います。
しかし、やはり野球の映画といえば、アメリカ!男!という印象の中で、このような映画を作ったのは面白いし、しかもそれが実話に基づいているとなると、なかなか興味を引かれるわけです。しかも、野球の練習を綿密にやったのか、肝心のところは吹き替えなのかはわかりませんが、野球のシーンが以外にしっかりとしている。見ていて違和感がないくらいに野球になっている。そのあたりにもうまさを感じるわけです。
企画としては成功、映画としても及第点、ということで、こういう映画が意外と後々まで残っていくという気がしますが、何せ印象に残っているシーンや人が余りにいない(残っているといえば、22番に求愛し続ける謎の双子くらい)ので、これ以上説明の仕様もないわけですが、とりあえず見ても損はないということは言えます。特にスポーツをやっていたり、昔やってたという女性などは結構わが身にかさね合わせて楽しめたりするのかもしれません。なんだか天気もよくないし、出かける気もしないという週末にでも見ると、少々気分が晴れるかもしれません。