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ベストセラー

ポリス・アカデミー

2003/5/20
Police Academy
1984年,アメリカ,96分

監督
ヒュー・ウィルソン
脚本
ニール・イズラエル
パット・プロット
ヒュー・ウィルソン
撮影
マイケル・D・マーガリーズ
音楽
ロバート・フォーク
出演
スティーヴ・グッテンバーグ
G・W・ベイリー
ジョージ・ゲインズ
キム・キャトラル
ババ・スミス
preview
 問題ばかり起こして警察とも顔なじみのマホーニーは、起訴を猶予する代わりに警察学校に入学させられてしまう。自分からやめると警察送りになってしまう彼は何とか放校処分になろうとするのだが、まわりの面々も彼に負けず劣らぬ問題児ばかり、何とかやめさせようとする教官に反抗するうちに、研修期間は過ぎていって…
 通称「ポリ・アカ」、10年間で7作が作られた80年代を代表する作品の一つ。80年代らしい能天気なコメディで、差別ネタあり、Hネタありとまさにバブリーなコメディ。しかし、この能天気こそが80年代という時代を表すものでもある。
review
 およそ20年前、今見れば何の脈略もなく、笑えもしないお色気ネタにドキドキしたり、能天気なギャグに何のけらいもなく笑っていた。今見てもその面白さはわかる。印象ではもっとドタバタでベタベタという感じだったのだけれど、この20年間でギャグ映画のお下劣さも進化したせいか、なんだか良識的な映画にさえ見えてしまった。
 マホーニーもハイタワーもかなりの正義感で、しかも全体的には警察官になることがすばらしいこととして描かれていて、いじめを繰り返す教官も別に根本的にひどい奴だったわけではなくて、なんだかいい世の中だったなぁ、とそんな感想を持ちます。
 こんな映画を見て幸せに笑っていた80年代を懐かしむのは、すでにおじさんになってしまった証拠なのか? 否、映画というものが時代を映す鏡であり、時代を代表する映画を見ることはその時代を見ることでもある。つまり映画史とは、一つの大衆史であり、生活史であるはずだ。今はまだ近い過去であるけれど、もう数十年たったら、「80年代ってこんな時代だったんだ」といってこの映画が見られる時代が来るはず。ここではそれを先取って、この映画がいかに80年代的であるかを書いているということ。
 この映画は一面では非常に能天気で、浮かれた時代性を表しているわけだが、その裏には未だ残存する差別の問題、黒人(アフリカ系アメリカ人)への差別、ゲイへの差別、が差別として存在し、それが笑いのネタとして使えることを示してもいる。中でも「ブルー・オイスター」(かな)なるハード・コア・ゲイが集まるナイトクラブは映画では君の悪いもの、否定的なものとして描かれてはいないけれど、見るものはそれが気味の悪いものとしてみるものと期待して作られていることは確かだ。アフリカ系アメリカ人の差別の問題もそれが否定すべきものであるとして表れてくるけれど、それはそのような差別が存在し続けていることを示してもいる。
 つまり80年代という時代は、理知的には、あるいは言葉の上では、差別の根絶が明確に謳われ誰もが差別は悪いことでなくすべきだと考えていた、あるいは考えようと努力していた、けれども差別は差別として残っていた、そんな時代であるような気がする。映画に登場する警察学校の生徒たちがほとんど白人であることも、そのような時代性を表している。

 という80年代的コメディ映画の代表ということです。映画としては続編がどんどん作られ、1作ごとにパワーダウンしていったわけですが、続編が作られるというのも80年代の映画の特徴。その特徴は今も残っていますが、80年代から90年代は特にその傾向が強かった気がします。
Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ60~80年代

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