ポリス・アカデミー'94/モスクワ大作戦!!
2003/5/26
Police Academy: Mission to Moscow
1994年,アメリカ,83分
- 監督
- アラン・メッター
- 脚本
- ランドルフ・デイヴィス
- ミシェル・コドス
- 撮影
- イアン・ジョーンズ
- 音楽
- ロバート・フォーク
- 出演
- ジョージ・ゲインズ
- デヴィッド・グラフ
- マイケル・ウィンスロー
- レスリー・イースターブルック
- クレア・フォーラニ
国際的な犯罪人であるロシアン・マフィアのボス・コナリ逮捕のためモスクワから応援を要請されたポリ・アカの面々、コナリはTVゲームを使ってあらゆる機密情報をつかもうとしていた。いつものようにとぼけた事件ばかりを起こして、まったく捜査が進まないポリ・アカの面々は応援を要請したはずのロシアの警察にも煙たがられる始末。果たして犯人を捕まえることはできるのか…
80年代のヒットシリーズ『ポリス・アカデミー』の7作目で、これが最後の作品となった。オリジナル・メンバーも徐々にいなくなり、今回は主人公不在という印象が強い。笑いにも切れがなく、ただなんとなく話が進んでいくだけ。
笑いに切れがないというか、どこで笑わせようとしているのかがわからない。新米警官のコナーズというのがメンバーに加わって、ロシア人の通訳の警官と恋愛というサブプロットもあったりするけれど、彼が主人公というわけでもなく、結局主人公をはれるだけの人がいない。なので、どこに映画の力点が置かれているかがちっともわからず、いつものジョーンズの効果音も、タックルベリーの破天荒な銃の乱射も、「またか」と思うくらいで、どこで笑えといわれているのかよくわからなくなってしまう。
唯一おもしろかったといえるのは、ラサード校長がロシア人の家族と仲がよくなって、すっかりそこに溶け込んでしまうところ。まったく言葉が通じていないというのが笑いのネタになっていて、それもほんわかとした笑いを呼ぶし、その状況がなんとなくいい。映画の本筋ではなく、時折少しはさまれるだけなのだけれど、それで何とか映画を最後まで持たせることができたという感じがする。 シリーズものというのは、主役級の人たちが出世して、もっと大きな作品に出ることで降りてしまい、どんどんパワーダウンしてしまう傾向がある。この作品はそのようなシリーズものの最たる例で、スティーヴ・グッテンバーグが「4」で降りてしまった時点でやめればいいのに、がんばってしまい、さらに「5」と「新」で主役級となったババ・スミス(ハイタワー)もこの作品には出演せず、すっかり尻すぼみ。しかし、このシリーズに出ている役者たちはなぜか他の映画では役にめぐまれず、という感じです。
この作品はスタッフのほうも若手で固め、しかし、特に何か優れたところがあるわけでもなく、こんな映画になってしまったのは当然の結果という気がします。プロデューサがもう辞めたいから最後にしょーもないものを作ったのかもしれません。
でも、ラサード校長を始めとした、登場人物たちは好きです。基本的に。