ジム・キャリーはMr.ダマー
2003/6/16
Dumb and Dumber
1994年,アメリカ,105分
- 監督
- ピーター・ファレリー
- 脚本
- ベネット・イェーリン
- ピーター・ファレリー
- 撮影
- マーク・アーウィン
- 出演
- ジム・キャリー
- ジェフ・ダニエルズ
- ローレン・ホリー
- ヴィクトリア・ローウェル
リムジンの運転手をするロイドは空港まで一人の美女を乗せる。そしてその美女メアリーが何者かの指示で置いたスーツケースを忘れたと思い込み拾ってしまう。メアリーに追いつくことができずそのスーツケースを持ち帰ったロイドは仕事を首になり、相棒のハリーも仕事を首に。ほとんどお金がなくなってしまった彼らのところに、スーツケースを狙う二人がやってきて…
ジム・キャリーの出世作の一つで、ファレリー兄弟のデビュー作でもある。その下品さがいろいろと物議をかもし、拒否反応を示す人も多いとは思うが、あまりのバカバカしさにもう笑うしかないという意味で優れたコメディ映画でもある。
ジム・キャリーとファレリー兄弟の相性がいいのは、ともに小学生のような笑いの感性を持っているからだ。彼らの下品さというのは「エロ」の下品さではなく、いわゆる下ネタや差別ネタをためらいもなく繰り出す下品さなのだ。それはただただ「うんこうんこ」といってわらっている小学生のような下品さ、大人としてはそれに眉をひそめるより、笑って受け入れるくらいのおおらかさがほしい。 まあ、小学生がやるのと大人がやるのとでは違うということも言えなくもないけれど、映画としてはふたりの大人がいつまでも子供のようなギャグを繰り出し続けているというところで笑いをとろうと狙っているのだから、そこを受け入れないとこの映画に拒否反応を示してしまうということになる。
そんな大人げのない人は置いておいて、この映画はギャグはまあギャグとして、話がなかなかしっかりしている。ギャグ映画もプロットがしっかりしていないと笑えないということは何度も書いている気もしますが、やはりそういうことで、この映画が笑えるのもしっかりとしたプロットがあるから。ギャグとプロットがうまく絡み合って展開していく。激辛バーガーなんかもギャグとしてよりもまずプロットの展開のひとつとしてあって、それが二人のキャラクターにはまってギャグになるというような物語の組み立て方。
ファレリー兄弟のコメディはとにかく下品下品といわれがちですが、意外にそのあたりがしっかりしているところが観客の支持を失わない理由なのだと思います。
えー、私はジム・キャリーはこの映画が一番好きですが、それはたぶん相棒のジェフ・ダニエルズがかなりはじけているから。コンビとしてはジム・キャリーがボケでジェフ・ダニエルズもボケ。コメディアンではないはずのジェフ・ダニエルズがここまではじけてしまうと、ジム・キャリーはそれを上回るはじけ方をしなければならない。結果見事な小学生コンビが出来上がる。それがこの映画の面白さの秘訣ということですかね。