幸せはパリで
2003/6/26
The April Fool
1969年,アメリカ,95分
- 監督
- スチュアート・ローゼンバーグ
- 脚本
- ハル・ドレスナー
- 撮影
- ミシェル・ユーゴー
- 音楽
- マーヴィン・ハムリッシュ
- バート・バカラック
- 出演
- ジャック・レモン
- カトリーヌ・ドヌーヴ
- ピーター・ローフォード
- マーナ・ロイ
- シャルル・ボワイエ
証券会社に勤めるブルーベイカーは長年務めたかいあって投資部長に昇進し、社長の家に呼ばれた。正式な話だと思い、ぴっちりスーツをきこんで行くが、実はそこでは派手なパーティが行われていた。まったく知り合いもいないブルーベイカーは社長の奥さんをそれとは知らずに誘ってしまい、二人でパーティーをあとにした。
ジャック・レモンにカトリーヌ・ドヌーヴという異色キャストのロマンティック・コメディ。さしたる見所があるわけではないが、アメリカン・コメディらしからぬキャスティングとセンスがなかなか面白い。
今も健在なカトリーヌ・ドヌーヴは、このときまだ26歳、そう考えるとなかなかふけ顔のようで、ちょっと26歳には見えない。『シェルブールの雨傘』の時は何とまだ20歳ということなので、もともとふけ顔なのかもしれない。なので、今逆にもう60歳といわれると、若く見える気もする。まあ、美人というのは基本的にふけ顔なモノで、特にドヌーヴは顔が大きい(この映画でもジャック・レモンと並ぶとドヌーヴのほうが顔が大きい)のもあって、26歳には見えず、しかし逆に役にははまっていたという感じがする。
ドヌーヴもなかなか映画の中で異彩を放って面白かったが、もうひとりシャルル・ボワイエが唐突に現れるのが面白い。そもそもこの映画の展開はかなりむちゃくちゃで、シャルル・ボワイエが出てくるのも、ドヌーヴがどう考えても若者しかいないようなクラブ(ディスコ?)で初老の婦人に出会い、その人の家に行くとだんながシャルル・ボワイエということで、しかも行くなりフェンシングをしていて、「夜活動するから昼寝るんだ」などという与太話をする。今考えるとなかなかおかしな話で笑えるんだけれど、映画を見ているとそれは笑いとして提示されるというよりは普通の物語として流れてしまうので、なんだかよくわからないままに進んでいってしまう。
この映画の主プロットは恋愛話で、それぞれが困難にぶつかりながらも思いを貫くのかどうなのかという話なわけですが、じつはそれ以外の部分のほうが面白かったりして、私もちょっと見るときに主プロットに引きずられすぎたかなと後悔しています。しかし、ジャック・レモンとカトリーヌ・ドヌーヴというインパクトのある二人なので、どうしてもそっちに引きずられてしまう感じ。
そのあたりがどうもとらえどころがなくて、リズムが悪い感じがしてしまった原因なのかもしれません。