永遠に美しく…
2003/7/19
Death Becomes Her
1992年,アメリカ,104分
- 監督
- ロバート・ゼメキス
- 脚本
- マーティン・ドノヴァン
- デヴィッド・コープ
- 撮影
- ディーン・カンディ
- 音楽
- アラン・シルヴェストリ
- 出演
- メリル・ストリープ
- ブルース・ウィリス
- ゴールディ・ホーン
- イザベラ・ロッセリーニ
- シドニー・ポラック
全盛期を過ぎた女優のマデリーンは旧友のヘレンが連れてきた婚約者の整形外科医アルバートを横取りして結婚、一方のヘレンはその7年後には精神病院に入っていた。しかしさらに7年後、年齢による容姿の衰えに悩むマデリーンの前に現れたヘレンは若返ったように美しかった。それを見たマデリーンは自分も若返ろうと以前紹介されていた怪しげな女性のところに向かう…
スピルバーグファミリーのロバート・ゼメキスが、ILMの最先端の特撮技術を駆使して撮ったテンポのよいコメディ映画。2人の大女優メリル・ストリープとゴールディ・ホーンが競演し、それぞれ個性を発揮していてよい。
これはとてもわかりやすいアメリカン・コメディで、ゼメキスというスピルバーグ・ファミリーでもコメディ部門担当といってもいい監督が特撮を駆使して撮ったということで、90年代初めという時代を象徴している作品なのかもしれないと思います。メリル・ストリープのほうは今になってもいろいろと活躍しているわけですが、ゴールディ・ホーンのほうは80年代を代表するコメディエンヌというイメージで90年代後半からはあまり見なくなってしまいました。そういう意味でも時代性を表しているでしょう。
時代を象徴するコメディというのは概して時間が経ってみるとちっとも面白くなくなっているわけですが、この映画はあまりそういう感じはしない。何が面白いのかといわれるとなかなか難しいのですが、不老不死というのは時代にとらわれない普遍的といえるテーマであるし、やはり2人の女優のパワーがなかなかすごいというのがある。
特撮のほうはといえば、今見ればそれほどすごいことはない。ゴールディ・ホーンのおなかに大きな穴が開くというのも発想としてはおもしろが、リアルに見せる技術としては(今から見れば)それほどすごいとは言えないだろう。しかしもちろん、特撮技術(いまはもうあまり特撮とはいわないですが)というのは日進月歩で今の技術と比べるのは不公平なわけで、特撮が映画にとってどれだけ効果的に働いているかということを考えたほうがいい。
その意味では、何といってもゴールディ・ホーンのおなかに大きな風穴が開くシーンはなかなか面白く、それをはじめとしてそのあたりのシークエンス全体の展開もかなり読めてしまうというのはあるけれど、なかなか面白い。顔がだんだん白くなっていったり、それにともなって目も白くなったり、そんな細かいところも映画に与える効果としてはなかなかのものだと思う。
それに対して、ブルース・ウィルスはいてもいなくてもいいというか、別にブルース・ウィルスじゃなくていい。まあ、どうでもいいことですが… ついでに言えば、イザベラ・ロッセリーニの妙なセクシー衣装も別に要らないというか、何でわざわざアンナセクシーショットを見せなきゃいけないのかもわからない…