ターミネーター3
2003/10/14
Terminator 3: Rise of the Machines
2003年,アメリカ,110分
- 監督
- ジョナサン・モストウ
- 脚本
- ジョン・ブラカトー
- マイケル・フェリス
- 撮影
- ドン・バージェス
- 音楽
- マルコ・ベルトラミ
- 出演
- アーノルド・シュワルツェネガー
- ニック・スタール
- クレア・デインズ
- クリスタナ・ローケン
2004年、数人の殺害の命を受けて新型のターミネーター“T-X”が未来から送り込まれた。その頃何者かが動物病院に侵入し、動物用の鎮痛剤をがぶ飲みしていた。その病院に急患で呼び出された獣医のケイトは、その男を発見、それが元同級生のジョン・コナーでであることに気づく。そしてそこに“T-X”がやってくるが、同時に旧型ターミネーター“T-800”も未来からやってきていたのだった…
1,2ともにヒットし、シュワルツェネガー(州知事)の代名詞ともなった人気シリーズの12年ぶりの新作。監督はジェームズ・キャメロンに代わり、『U-571』のジョナサン・モストウ、主演はニック・スタールとクレア・デインズとすっかり様変わりした。
『ターミネーター』シリーズの続編としては不満だらけと言わざるを得ない。この映画はこれまでの2作を否定してしまうというか、これまでに起こったことは起こったこととして、やはり未来は変わらなかった問いことを前提にして始まっている。1と2の理念や意味は消失し、まったく新しい物語が始まっている感じだ。「感じ」というより事実そうなのだろう。この映画は『ターミネーター』のなを借りてはいるものの、監督も主演もすっかり変わり、シュワルツェネガーが“T-800”を演じているという以外、前作までとの共通点はまったくない。終わり方を見る限り、これには続編がありそうで、ある意味これは新たなシリーズへのプロローグなのでは… と見ることもできる。次回作からはカリフォルニア州知事になってしまったシュワルツェネガーもきっと出なくなり、まったくもって新しいシリーズになる予感がする。
そのように見てみると、この映画は一般受けした1と2のシリーズと比べるとかなりマニア向けになりそうな気がする。SF色を強め、CGを駆使し、空想段階に過ぎない科学技術をどんどん映像化していく。そんなSFシリーズとして展開されていくだろう『ターミネーター4』以降の物語のプロローグとしてならば、この映画も悪くないのかもしれない。
しかし、シュワルツェネガーがいなくなっても、このシリーズのコメディとしての面白みを維持することができるのだろうか? というのが最大の疑問。この映画でも私が一番好きだったのは、シュワちゃんが車をバンバン叩いてぺしゃんこにするところ。たいして物語には関係ないのだけれど、その無意味さと無意味なシーンに明日からを入れる力具合がターミネーターっぽくてよいと思った。
新シリーズへの橋渡しに過ぎないこの映画にはそれしかないと言ってもよく、4以降もその質を維持できるのかどうか心配でならない。私が心配してもしょうがないんですが…