ミニミニ大作戦
2003/10/15
The Italian Job
2003年,アメリカ,111分
- 監督
- F・ゲイリー・グレイ
- 脚本
- ドナ・パワーズ
- ウェイン・パワーズ
- 撮影
- ウォーリー・フィスター
- 音楽
- ジョン・パウエル
- 出演
- マーク・ウォールバーグ
- エドワード・ノートン
- シャーリーズ・セロン
- セス・グリーン
- ジェイソン・ステイサム
- ドナルド・サザーランド
イタリア、ベニス、熟練の泥棒ジョンは信頼の置ける仲間チャーリーを中心に50億円の金塊を盗む計画を実行、その道の名人ばかりを集めた集団は見事に強奪に成功、警察の追跡も巻き、遠く離れた山中で祝杯を挙げたのだが、仲間の一人の裏切りによって金塊は横取りされてしまう。1年後、ロサンゼルスで錠前の専門家として警察に協力しているジョンの娘ステラの前に、チャーリーが現われる。
69年の同名作品のリメイク。舞台がアメリカになって異なった味わいに。リニューアルされたされたミニの宣伝のためにBMWが仕組んだ映画なのだろうか?
なかなか面白いんですが、リメイクということはまったく関係ないということもいえます。物語の展開としては単純明快で、特に波乱もなく、終わり方などはあっけなさ過ぎると感じられるくらい。このあたりの単純さには60年代のリメイクという色を感じます。しかし、物語が単純明快なのに吊られて泥棒たちもちょっと単純な感じに。最高のプロたちならもう少し深読みしてもよさそうなもんだという展開がポロポロ出てきます。いわゆる現代的なクライムサスペンスではもっともっと緻密に隙がないように物語が組み立てられているだけに、その牧歌的なところが逆に新鮮に感じられます。
それにしても、さすがにミニクーパーのカーチェイスシーンは格好いいですね。この映画に登場するミニクーパーは劇中でも改造されてたし、実際のものとはだいぶ作りかえられて入るのでしょうが、それでも格好いいと思ってしまいます。 こういう映画は展開も単純明快であっても、なんとなく楽しく見れてしまう。特にこの映画はキャラクターの作り方がうまく、それぞれの個性が前面に出てきているので、映画に親近感が湧き、自分もチームの一員であるかのような感じで映画を見ることができる。私は“ハンサム・ロブ”がなかなか気に入りまして、たいしたキャラクターではないんですが、その地味な感じがまたいいということろ。こういったキャラの割り振りはたとえば「特攻野郎Aチーム」見たいなTVドラマに典型的に見られるように、観客の関心を引きやすい。特定の主人公を作ってしまうよりも広い観客層に訴えることができるのだと思います。トム・クルーズが嫌いだから『ミッション・インポッシブル』は見ない。という風にはならない、という点ではなかなかうまい作り方であるのだと思います。
なので、誰が見てもそれなりに楽しめ、しかしまあ、それ以上では決してない。そんな映画になりました。