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2003/11/24
Rush Hour
1998年,アメリカ,97分

監督
ブレット・ラトナー
脚本
ロス・ラマナ
撮影
アダム・グリーン・バーグ
音楽
ラロ・シフリン
出演
クリス・タッカー
ジャッキー・チェン
エリザベス・ペーニャ
トム・ウィルキンソン
フィリップ・ベイカー・ホール
preview
 香港、刑事のリーはマフィアを追い、一味の一人を取り逃がすが、何とか事態を収拾することに成功した。ロサンジェルス、刑事のカーターは独りよがりの操作で警官に怪我を負わせてしまう。そのロサンジェルスで新しい領事となったリーの友人ハン領事の娘スー・ヤンが誘拐された。すぐにFBIが特別チームを結成。ハン領事はリーに助けを求めるが、FBIにとって彼は邪魔者でしかなく、カーターをリーのお守りにつけて、厄介払いしようとするのだが…
 ジャッキー・チェンがハリウッド進出、人気スタンダップ・コメディアンのクリス・タッカーとくんだアクション・コメディ。ジャッキーなのでもちろんカンフーだが、それほどアクションが前面に押し出されるわけもなく、クリス・タッカーの喋りが前面に押し出されるわけでもなく、どちらもまあまあな作品。
review
 80年代からハリウッド進出を狙っていたジャッキー・チェンがついにハリウッド・メジャーで主役を張れたという作品なわけで、彼にとっても香港映画にとってもエポック・メイキングな作品であるだろう。この90年代終わりといえば、やはり『マトリックス』に代表されるワイヤー・アクションの台頭で、カンフーは再び脚光を浴び始めた頃。ジェット・リーもハリウッド進出に成功、アクション監督といえば香港人という時代がやってきている。そんな時代を作ったひとりがジャッキーなわけだが、年の成果アクションはイマイチさえない。ジャッキーはやはり、『プロジェクトA』あたりの笑えるほどすごいアクションがいいわけで、歳をとってしまったらどうにもいかん。という感じがしてしまう。
 しかし、悪い映画でもない。ジャッキーとクリス・タッカーという組み合わせはかなり面白いキャスティングで、ロサンジェルスというまさに人種の坩堝とも言える都市、民族が対立したり融和したりとめまぐるしく変わる都市を見事に象徴する作品になっている。カーターのロス市警の相棒がラティーノ(ヒスパニック)であるというのも、そのあたりに意識的出ることの現われだろう。この作品のようなまったく完全な娯楽作品にこそ、そういった現実を反映させたリアリティというものが求められるし、白人がほぼ全員悪人か間抜けという設定になっているところも、かなり意図的なものが感じられる。それは別に人種差別を問題化するとかそういうことではなくて、そのような問題をさりげなく織り込んだほうがアクション・コメディ映画としてのリアリティや面白みを生み出すことができるという監督の(若い)優れた感性の現われなのだろう。
 この監督のブレット・ラトナーはこの作品を撮った時点でまだ20代ということで、かなり若手の監督である。代表作といえばこの作品ということになるのだが、なかなか堅実に作品を創り上げていく監督なのではないだろうか。たぶんコメディのほうに才能があるだろうから、風刺の効いたコメディ映画をしっかりと腰をすえて作ってくれたなら、なかなか面白いものを撮るんじゃないかと期待できる。

 ということですが、この作品はジャッキーのアクションもまあまあ、笑いもまあまあ、ストーリーのほうは書くほどのものではないという感じ。ジャッキーのアクションは衰えたとはいえ見ていてどこか楽しい。ドキドキハラハラ、というのもあるけれど、こちらも闘争心が沸くというよりはどこかダンスを見ているような、そんな楽しい気分にさせてくれるアクションだ。この映画では特に、美術品を守りながら戦う姿にジャッキーらしさが感じられた。香港でサモハン・キンポーやユン・ピョウとドンドンチャンちゃんやっていたあの頃のアクションの楽しさ、それを一瞬思い出させるシーンだった。
 クリス・タッカーの笑いのほうは今ひとつ発揮されていないような気がする。よく動く表情で笑いを誘うというところはなかなか面白いが、トークで笑わすというところはあまり見られない。これではエディ・マーフィーにはなれない。結構似たタイプだとは思うが、アクション映画で主役をはれるコメディアンになるにはまだ何か足りないということろ。
 あとはちょいちょい、まあ、『2』もみてもいっかなーという感じである。
Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ1990~2000

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