007/ユア・アイズ・オンリー
2003/12/5
For Your Eyes Only
1981年,イギリス=アメリカ,128分
- 監督
- ジョン・グレン
- 原作
- イアン・フレミング
- 脚本
- リチャード・メイボーム
- マイケル・G・ウィルソン
- 撮影
- アラン・ヒューム
- 音楽
- ビル・コンティ
- 出演
- ロジャー・ムーア
- キャロル・ブーケ
- トポル
- ジュリアン・グローヴァー
- リン=ホリー・ジョンソン
- デスモンド・リュウェリン
- ロイス・マクスウェル
漁船を装った英国の監視船が機雷にあたって沈没してしまった。その船に搭載されていたミサイル誘導装置ATACを狙って、東側が動き出す。英国はその海域にいた海洋考古学者に調査を依頼するが、彼も娘の目の前で殺されてしまった。そしてカジノでカードに興じていたジェームズ・ボンドに指令が下る。
ジェームズ・ボンドが山に海に空にと飛び回る正統派007。宇宙に行ったりと少々コミカルな傾向が強いロジャー・ムーアものの中ではなかなか渋め。コロンボ役のトポルがとてもよい。
はっきり言って私はロジャー・ムーアの007というのはあまり好きではありません。やはりショーン・コネリーのイメージが強く、そのイメージとむしろ逆にあるロジャー・ムーアにはどうもなじめないというのがある。でも、今のピアーズ・ブロスナンは意外と好きです。
ということがあるので、ロジャー・ムーアのはどれを見ても気に入らないことが多いのですが、そんな中でこの作品はなかなか面白かった。オープニングあたりはシーナ・イーストンのテーマ曲というのもあって80年代バリバリで今見るとなかなか違和感があります。さらに、最初の英国の監視船のあたりもかなり無理があるというか、監視船の乗組員があまりにだらしなさ過ぎて納得がいきません。 でも、ジェームズ・ボンドが登場し、雪山に行ったあたりからアクションがかなりいい。敵役の謎の怪力男クリーグラーが登場し(登場の瞬間に悪役とわかる)すごいスキー・アクションが展開される。見るからに吹き替えとわかるにしても、これはかなりいい。何がいいって、突き抜けて破天荒。普通のスキーでジャンプ台からジャンプしてしまったり、バイクにマシンガンが付いていたり。やはり、この破天荒さが007の魅力の一つですから、これがないと面白くない。
というアクションで掴んでおいて、中盤は物語り展開でみせる。よめよめといえばよめよめの展開ではありますが、ちょっとしたどんでん返しがあって、どうなるどうなる?という興味を持たせる。ので、なかなか飽きず見ることができます。
が、やはり個人的にはロジャー・ムーアがイマイチで、今回のボンド・ガールのキャロル・ブーケも今ひとつ。なので、どうもはまれません。さらに、この作品、あまりに80年代の空気が濃すぎるので、今の時代には今ひとつフィットしないのではないかと思ってしまいます。