スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
2003/12/24
Star Wars: Episode II - Attack of the Clones
2002年,アメリカ,142分
- 監督
- ジョージ・ルーカス
- 脚本
- ジョナサン・ヘイルズ
- ジョージ・ルーカス
- 撮影
- デヴィッド・タッターサル
- 音楽
- ジョン・ウィリアムズ
- 出演
- ユアン・マクレガー
- ナタリー・ポートマン
- ヘイデン・クリステンセン
- イアン・マクディアミッド
- サミュエル・L・ジャクソン
- クリストファー・リー
『エピソード1』から10年後、青年へと成長したアナキン・スカイウォーカーはいまだオビ=ワンのパダワンではあるものの類希な素質を発揮していた。一方、銀河元老院では通商連合と対抗すべく常備軍の設置が議論されていた。その投票のためにコルサントへとやってきたナブーのアミダラが何者かに命を狙われる。暗殺者の情報を得たオビ=ワンは暗殺者を追って旅立ち、アナキンはアミダラの護衛としてナブーに旅立つ…
序盤3エピソードの2エピソードめとなるこのエピソード2は1から3へのつなぎという印象が強い。エピソード3ではアナキンがいかにダース・ベイダーとなり、ルークとレイア姫が生まれ… という展開が予想されるが、このエピソードでは帝国の形成やクローン兵の誕生といったこの後の展開への準備という印象があるエピソードが並べられる。
どうもアナキン役のヘイデン・クリステンセンが力不足という気がしてならない。アナキンは自分のジェダイとしての力の強さとジェダイには禁じられてる感情を抑えきれないもどかしさのあいだで揺らいでいるはずである。自分もそれがわかっていて、だからオビ=ワンに認められないのもわかっているのに、つい感情と自信が理性より先に行動を規定してしまうということに悩んでいるはずなのだ。にもかかわらず、そのあたりがなかなか見えてこない。どうもただ短気なだけの青年に見えてしまって、どうもしっくり来ない。風貌も子供じみていて、アミダラが禁を犯してまで愛してしまうほどの魅力があるようには見えない。
ナタリー・ポートマンのほうもエピソード1と比べるとどうもイマイチだ。まず、設定上10年たっているにもかかわらず見た目がほとんど変わっていないというのもどうかと思うが、まあそれはいいとしても、アナキンとの関係の苦しみとかそういったものが今ひとつ伝わってこない。このふたりの愛のエピソードはこのエピソード2の中核をなす物語であるはずなのに、そこが今ひとつ的を射ていないのがどうしても映画として弱い印象を与えてしまうのだと思う。
そのほかの部分ではなかなか面白い。エピソード4以降で帝国の兵士として活躍しているクローン兵の誕生秘話や暗黒面の力がいかに強まっていくのかという背景説明はうまくはまるし、エピソード4以降でおなじみのドロイドやマシンが続々登場してくるのもいい。
そして、エピソード1ではイマイチだったユアン・マクレガーがなかなかいい。このエピソードはオビ=ワンが主人公だと言っていいだろう。エピソード4以降でのハン=ソロとルークの関係のように、オビ=ワンとアナキンの力関係が変化していく。
さまざまにSFファンを刺激する仕掛けが用意されており、一本の映画として面白いストーリー展開を持ち、すごいCGとすごいアクションが盛り込まれている。それだけで映画としては十分に面白いはずである。しかし、どこか物足りなさを感じるのは『スター・ウォーズ』という看板によって、他の作品と比べてしまうことと、あくまでも9エピソードのシリーズの一つであることによって、物語の展開に消化不良が残るためだろう。
『スターウォーズ』ファンならば十分に楽しめるし、ファンでなくともこれまで『スターウォーズ』を見てきた人なら、とりあえず満足できる出来ではあるが、これまでの5作の中で考えると、まあまあという感じになってしまうし、これまでに『スターウォーズ』を見たことがない人が見るとしたら、今ひとつ話がよくわからない映画ということになってしまうと思う。少なくとも『エピソード1』は見ていないと、何の話かちっともわからないと思う。
ということですが、私が一番気に入ったのはなんといってもヨーダ。ヨーダというとよぼよぼだけれど、フォースの力がすごいちっこい爺さんであるけれど、このエピソードではヨーダのものすごいアクションシーンがある。ILMのCG技術の粋を集めて作られたアクションシーン。飛んだり跳ねたりするヨーダのアクションはまさに圧巻。これをみると、エピソード1より前のヨーダの物語も見てみたいなぁなどとも思います。
ということで、今回はヨーダに注目。