サンダーバード6号
2004/1/1
Thunderbird 6
1968年,イギリス,90分
- 監督
- デヴィッド・レイン
- 脚本
- ジェリー・アンダーソン
- シルヴィア・アンダーソン
- 撮影
- ハリー・オークス
- 音楽
- バリー・グレイ
- 出演
- シルヴィア・アンダーソン(声)
国際救助隊の発明家ブレインズは旅客用の飛行船スカイシップを開発し、就航することとなったが、その試験飛行にアランとペネロープが乗ることになった。しかし、その試験飛行の直前、何者かがスカイシップを乗っ取り、陰謀を働いていた。そのことを知らずにスカイシップに乗り込んだアランとペネロープだったが、徐々に何かがおかしいと気が付いて…
イギリスのTVシリーズ「サンダーバード」の劇場版第2弾。題名はブレインズが事件と平行してサンダーバード6号を開発していることから来ているが、それが見事にオチになる。
TVシリーズでは、パパ・トレイシーと4人の息子たちの活躍ばかりにスポットが当たり、ときどきレディ・ペネロープとパーカーの活躍が描かれるという感じだが、この映画版ではブレインズがかなり重要な位置を占め、ミンミンもなかなかいい位置を占める。ミンミンとアランが恋人同士であるというネタはTVシリーズから引きずっているものなので、それも含めてTVシリーズのファンにはいろいろと楽しい。また、最初に簡単に国際救助隊の説明がなされるので、TVを見たことがなくても楽しめるようにはなっている。
とりあえず、映画になってもサンダーバードはサンダーバード、純粋にサンダーバードの面白さに触れれば、楽しめることは請け合い。人形だからといってバカにしてはいけない。この映画は特に、映画で一本限りということもあってか、セットの破壊の仕方がかなり豪快で、爆破シーンの迫力なんかはかなりのもの。日本の特撮技術もすごいけれど、サンダーバードは欧米では他に類を見ない高水準の技術力を見せる。
まあ、物語のほうはありきたり、というかサンダーバードのシリーズではよくある一つのパターンではあるが、それでも前半部分はなかなか先が読めなくてハラハラさせられる。後半部分は少々ペースが落ちて退屈な感もないとはいえないが、それでも興味を保っていられるくらいにはさまざまな技が繰り出される。
個人的には、お気に入りのゴードンがずっと基地につめっきりでまったく活躍しないのが不満だが、ブレインズももうひとりのお気に入りなので、TVシリーズすべてたしたくらいありそうなセリフの多さに満足。
ブレインズが、どうせ文句をつけられるだろうからと自分で6号の試作模型を壊してしまうあたりなど、イギリス人らしいセンスが感じられ、サンダーバードらしいユーモアという感じである。
全体的には満足の出来だが、TVシリーズの一作とどれだけ違うかといわれればそんなに違いはない感じ。