アナライズ・ユー
2004/2/14
Analyze You
2002年,アメリカ,96分
- 監督
- ハロルド・ライミス
- 脚本
- ピーター・スタインフェルド
- ハロルド・ライミス
- ピーター・トラン
- 撮影
- アンドリュー・モンドシェイン
- 音楽
- デヴィッド・ホームズ
- 出演
- ロバート・デ・ニーロ
- ビリー・クリスタル
- リサ・クドロー
- ジョー・ヴィテレッリ
- ジョン・フィン
刑務所に服役しているマフィアのボス、ポールをある夜殺し屋が襲う。翌日、食堂で襲われそうになったポールは相手を殴り倒し、いきなり歌いだした。一方、分析医のベンが父の葬儀を終えて帰宅するとFBIが待っていた。FBIはポールがおかしくなったといい、以前担当医だったベンに刑務所に来るように言う。そして、ポールを見たベンにFBIはポールを引き取ってくれと要求する…
ロバート・デ・ニーロとビリー・クリスタルが競演したコメディの第2弾。監督も引き続きハロルド・ライミスで、前作のクオリティを保って屈託なく楽しめる作品になっている。
ロバート・デ・ニーロとビリー・クリスタル、芸達者な二人が組んでコメディをやれば、つまらないはずはない。基本的には前作と同じ作り方をしているが、二人の関係性は少々変わっている。それはもちろん前作では突然マフィアのボスを診ることになってしまった分析医という設定が面白さを生んでいたのに対し、今回では既知の間柄であるという違いがあるからだ。相手がマフィアのボスであるということから、ベンがパニックを起こすということが映画の面白さのひとつだったわけで、それが失われてしまったわけだ。
それを補うために、脚本ではベンの父親を殺してしまう。前作でもこの父親には言及があって、その関係がポールの神経症(ポールの父親はポールが12歳のときにポールの目の前に殺されてしまい、それがトラウマとなっていた)にも関係していたわけで、それを殺すことによって、ポールとベンにある種の共通の悩みを抱えさせる。父を失ったという喪失感を何十年も抱え続けるポールと、それをついに経験したベン、これによって二人は少し違った関係を気づき、しかしベンのパニックは相変わらず起こる。
というようにうまい具合に仕掛けが出来上がったので、あとは二人の芸達者ぶりで笑わせる。特にデ・ニーロはさすが。映画の序盤でデ・ニーロが無反応患者(どんな刺激に対しても反応しない患者)の演技をするのだけれど、その演技はかなりのもの。エンドロールでNGシーンなんかも出てくるけれど、それにしたってやっぱりすごい。
あとは、大爆笑ということはないけれど、なかなかひねりの聞いたネタが多く、
二人以外でも前作でも活躍したポールの右腕ジェリーやベンの息子マイケルなんかがなかなかいい味を出している。
話のほうはさしたるひねりもないけれど、ところどころ「なるほどね」と思わせる展開などもあってそこそこ楽しめる感じ。こういう映画は、夜も更けたころゆるりとリラックスしながら見たいものですね。
ちなみに、まだ続編ができそうな感じですが、『アナライズ・ミー』『アナライズ・ユー』(原題では“Analyze this”と“Analyze that”)と来たので、次は…『アナライズ・フー?』(“Analyze what ?”)かな?