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若い東京の屋根の下

2004/11/11
1963年,日本,91分

監督
斎藤武市
原作
源氏鶏太
脚本
才賀明
撮影
横山実
音楽
大森盛太郎
出演
吉永小百合
浜田光夫
山内賢
伊藤雄之助
三宅邦子
太田博之
下元勉
山岡久乃
小沢昭一
松尾嘉代
preview
 桑野蕗子は高校を卒業したばかりのBG、その蕗子と両親と弟が暮らしている家に、兄の次郎の後輩である三上が下宿人として転がり込んでくる。その前に三上と出会い、悪印象を持った蕗子は彼を追い出そうとするが、他の家族は彼を気に入ってしまう…
 吉永小百合と浜田光夫のコンビの作品のひとつ。主題歌も吉永小百合が歌っており(橋幸夫とのデュエット)、小百合ファンなら大満足の作品?
review
 日活のスターものといえば、映画が始まる前から映画の展開と結末がわかってしまうのが当たり前、その正統な流れを吉永小百合とは浜田光夫のコンビも見事に踏襲している。吉永小百合が本格的に看板になったのは61年だから、この作品の頃は人気がうなぎのぼりに上がっていくところだった。だから、結局のところ、何をやってもいいわけで、吉永小百合が出ていればそれですむ。
 と、言ってしまうと元も子もないが、実際スターものとはそういうものである。そして、この映画の吉永小百合は見事に輝いている。ほとんど常に笑顔を湛え、ふくれっつらをするときでもそこにどこかはにかんだような表情が混ざる。それは「美人」というのではなく、「かわいい」という魅力である。
 そんな吉永小百合ですでにこの映画は成立してしまっているわけで、ありきたりともいえる展開の強引さには眼をつぶればいい。それでも、サブプロットとして兄弟たちそれぞれの夫婦の問題を取り上げ、そこで観客を考えさせようとしている。
 しかしそれぞれが、なんかの映画やらドラマで聞いたような話で、今ひとつ効果は上がっていない。そして、それぞれは別に問題として絡み合っていくわけではなく、吉永小百合演じる蕗子が活躍する場を与えるだけなので、やはりそれはサブプロットに過ぎず、映画はあくまでも吉永小百合の映画であるという印象を強めるだけだ。

 そして、その吉永小百合だが、決して演技がうまいとはいえない。展開がそもそもわかりやすいわけだが、それに輪を掛けて吉永小百合の演技がわかりやすい。表情にしても仕草にしても絵に書いたような演技、リアルさよりもわかりやすさ、そしてかわいさが優先されているように感じる。
 でも、歌はうまい。

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: 日本60~80年代

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