ゾルタン★星人
2004/12/8
Dude, Where's My Car ?
2000年,アメリカ,83分
- 監督
- ダニー・レイナー
- 脚本
- フィリップ・スターク
- 撮影
- ロバート・スティーヴンス
- 音楽
- デイモン・アルバーン
- デヴィッド・キティ
- 出演
- アシュトン・カッチャー
- ショーン・W・スコット
- ジェニファー・ガーナー
- マーラ・ソコロフ
- デヴィッド・ハーマン
ジェシーとチェスターは眼を覚ますと前夜の記憶がまったくなかった。が、とにかく恋人である双子にプレゼントを届けなくてはならず、急いで出かけようとするが、ジェシーの車が見つからず、歩いて探しに出ることに。しかし、車を探すうち、彼らは自分が昨夜、想像もしないようなことをやっていたことを知っていく…
低予算の典型的なティーンズ・おバカ・コメディだが、なぜか全米でヒットを飛ばし、主演のアシュトン・カッチャーは一躍スターダムに。続編も作られる予定とか…
この映画で面白い点といえば、主役ふたりのバカさ加減だけ。朝起きて昨夜の記憶がまったくなく、だんだん事実が明らかになっていくにつれて話が大きくなっていくという展開は、よくある話しだし、そこに何か工夫があるわけではない。ゾルタン星人なんてのを持ち出してSF風味を加味してあるけれど、実際のところこのSF風味はまったく不必要だったと思う。宇宙オタクたちは映画のスパイスとして面白いが、彼らがいればそれでいいわけで、実際に宇宙人が登場する必要はないような気もする。
まあしかし、この映画はボケとボケのコンビの掛け合い漫才のようなもので、それだけで展開してしまうと、さすがにだらだらしすぎる気もするから、宇宙人でも出して、ドカンと落とさないとまとまりようがないというのはわかる気もする。
実際のところ、この宇宙人も宇宙オタクもボケのための材料でしかないので、それが宇宙人だろうと、地底人だろうと、日本人だろうとよかったのだと思う。そういう意味ではこの映画は最初から最後まで主役のふたりのボケ合いに尽きるのだ。
ボケとボケの漫才というのは笑い飯をはじめとして今のお笑いブームでもたびたび見られる形だが、これは結局、従来のボケと突っ込みの漫才からのずらしであり、そのずらしに面白さがあるということだ。
とはいえ、この映画の場合、主演のふたりは別にコンビではないので、そのようなずらしを狙ってやっているとも思えない。それぞれのボケのかみ合わなさが面白いというだけな感じだ。特にショーン・W・スコットのボケが面白く、アシュトン・カッチャーはそれにバカの上塗りをしているだけという印象である。
この映画でブレイクしたのはアシュトン・カッチャーのほうだが、それは彼のほうが格好いいからで、ショーン・W・スコットのほうも、いろいろな映画で準主役級で道化役をやるようになっている。しばらくしたらアダム・サンドラーのようになるかな。