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処刑・ドット・コム

2005/8/1
My Little Eye
2002年,アメリカ,95分

監督
マーク・エヴァンス
脚本
デヴィッド・ヒルトン
ジェームズ・ワトキンス
音楽
バイアス
出演
クリス・レムシュ
ジェニファー・スカイ
ショーン・CW・ジョンソン
スティーヴン・オレイリー
ローラ・レイガン
preview
 主催者が決めたルールを守って、5人で半年間の共同生活をしたら、賞金100万ドルというネット上の企画に参加した5人の若者たち。カメラで常に見られている以外はそれほど困難は無かったが、期日が目前に迫ると異変がおき始める…
 ネットと密室を組み合わせたサイコサスペンス、どこかで見たことがあるような、無いような… いまどき大学の卒業制作でもこれくらいのものは作れそう。
review

 私は故淀川長治さんのどんな映画でもとりあえず褒めるという姿勢が好きで、自分でもどんなにつまらない映画でも、その映画のいいところを探してそれを書くことにしているのだが、この映画にははっきり言って褒めるところが無い。しかし、それでもやはり無理やり探す。
 この手の映画はいまや巷に溢れ、有象無象、五十歩百歩の駄作ばかりが並ぶ。この作品のオリジナルといえるのは、この5人が半年間も閉ざされた空間で共同生活を送っているという点だ。それだけ長い期間一緒にいれば、いくら金目当てとは言っても何らかの人間関係が生まれるはずで、実際に生まれているようなのだが、その部分がこの作品ではまったく描かれていない。サスペンスの展開に入る前に、その前の半年近い導入部分をじっくり描いて5人の関係がどのようなものかを観客に納得させた上で物語を展開していかないと、観客はいったいどこに身をおいていいものかわからなくなってしまう。もちろん、ある意味では群像劇だから、誰か一人が主人公ということにはならないのだが、群像劇であるということは観客が同情的に見ることが出来る存在を見つけやすいはずなのだが、この作品のキャラクターはその人物像が見えてこないから、同情的に見るということがそもそも出来ない。
 ここにいる奴らはみんなバカなのか、それとも半年間の隔離された生活で狂い始めているのか、とにかくこんな馬鹿な行動を取るなんて信じられない。そう思えてしまうから、恐怖を誘うはずの展開もまったく別の世界で起きていることのように見え、まったく怖くない。

 この作品から何かを読み取るとしたら、情報と日常の関係ということになるのかもしれない。ネットという情報化社会の象徴のようなメディアを通じて、企画に参加した彼らが、情報から完全に隔絶された状況に置かれる。ルールが詳しく説明されていないのでよくわからないが、彼らには情報を仕入れる手段がまったく無いのだろう。その情報と完全に隔絶されたという状態が何をもたらすのか、そこをうまく描いたらもう少し面白くなったのではないかと思うのだが…
 やっぱり褒めてないですね。やはりこの作品で褒められるところは、映像で観客を驚かそうとした努力賞しかないです。ペンにつけたカメラなんてのはなかなか変で面白い。無数のカメラで完全に死角がないように仕組まれた家、その恐怖は描かれているのかもしれません。

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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