スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
2006/2/27
Star Wars: Episode 3 - Revenge of the Sith
2005年,アメリカ,141分
- 監督
- ジョージ・ルーカス
- 脚本
- ジョージ・ルーカス
- 撮影
- デヴィッド・タッターサル
- 音楽
- ジョン・ウィリアムズ
- 出演
- ユアン・マクレガー
- ナタリー・ポートマン
- ヘイデン・クリステンセン
- イアン・マクディアミッド
- サミュエル・L・ジャクソン
- ジミー・スミッツ
- クリストファー・ダニエルズ
- フランク・オズ
ジェダイと分離主義者との戦争が続く中、アビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーは誘拐されたパルパンティーン議長の救出に向かう。ふたりは見事シスのドゥークー伯爵を殺し、議長の救出に成功するが、アナキンには暗黒面の魔の手が延びようとしていた…
ついに完結編を迎えたスター・ウォーズ・シリーズの通算6作目。エピソード1・2からオリジナルの『スター・ウォーズ』につながるエピソードに当たり、ダース・ベイダー誕生の秘密がその最大の見所。
ついにスター・ウォーズが完結。その感慨が映画を観ての一番大きな感想だが、これを見てしまうと、構想されていたが実現されることはないと決まってしまったエピソード7~9が作られないのは残念という気がしてくる。このエピソードは、結末が明らかになっているだけに、プロットの運び方が難しく、やはり他のエピソードに比べると、どのような展開になっていくのかというドキドキ感は薄い。ジェダイたちが次々と殺されていく中で、生き残ることになるジェダイたちがどのように危機を乗り越えていくのかという部分はなかなか面白い展開力があるけれど、全体的に見ればやはり観客を引っ張っていく力という部分では物足りなさが残る。
しかし、『スター・ウォーズ』シリーズを見続けてきた人にならば、その細部の展開に非常な面白みを見出すことが出来るだろう。それぞれの登場人物の心理の微妙な変化、ジェダイとシスの関係性など、このエピソードを見ることによって、エピソード4以降で明らかになっていない部分の多くが明らかになって、色々なことに納得がいくのではないかと思う。
私はシリーズすべてを見てはいるが、それほど熱心なファンではないので、エピソード4について思い出せない部分も多く、それが逆にどのような展開になるのかという楽しみにつながって、面白く見られるということもあってそれはそれでよかったのだが、ここからわかるのは、この作品がファンにとっても、あまりスター・ウォーズを良く知らない人ひとにとってもそれなりに楽しめる作品であるということだ。そこにやはり、このシリーズとジョージ・ルーカスのエンターテイメントとしてのすごさを感じる。
また、全体的な物語から個々のキャラクターに至るまでの、あらゆる部分に様々な仕掛けがなされ、マニア心をくすぐる仕組みが出来上がっている。そのひとひとつを追っていくだけでも、楽しみを見出すことが出来るというのも、このシリーズの面白さである。
そして、やはり映像の質は本当に素晴らしい。もちろんほとんどがCGだが、そのCGの緻密さと実写との組み合わせの見事さはまさにひとつの芸術品といえる。いまやハリウッド映画のほとんどにCGが使われているが、そのほとんどはどこかにCGらしいぎこちなさが残っている。この作品もCGがCGであるとはわかるが、にもかかわらず、そのCGと実写が見事に合わさってひとつの統合された映像を作り上げているのだ。やはり、ルーカス・フィルムの30年以上にわたるVFXの積み上げは無駄ではなく、まさしく世界一の技術を持っているのだと実感した。また、アクションシーンもそのスピード感がさすがで、ついつい手に汗握ってしまう。
この作品が、シリーズ6作品の中で特別に面白いということはないが、シリーズ全体を意識すると、やはり『スター・ウォーズ』ってのは面白い映画だと実感する。