成功争ひ
2006/12/27
Making a Living
1914年,アメリカ,15分
- 監督
- ヘンリー・レアマン
- 脚本
- リード・ヒュースティス
- 撮影
- エンリケ・フアン・バジェッホ
- フランク・D・ウィリアムス
- 出演
- チャールズ・チャップリン
- ヴァージニア・カートリー
- アリス・ダベンポート
- ヘンリー・レアマン
- ミンタ・ダフィー
text
チャップリンのデビュー作はヘンリー・レアマンの監督作で、チャップリンとレアマンの2人がともに主演という感じになっている。物語は偶然であった2人の紳士がことあるごとに出会い、競い合うという話。一人の女性を争い、一つの職を争い、そのたびにドタバタが演じられる。
チャップリンは小汚い礼服にシルクハット、どじょう髭にステッキを持っている。チャップリンのスタイルの原型を見ることは出来るが、まだまだ固まってはいない。演技はパントマイムの延長という感じで大げさな感じがするが、その演技の大きさがサイレント劇の中では面白みを生むということがよくわかる。
存在感ではデビュー作ながら完全にレアマンを食い、チャップリンの独壇場となっている。一人の女をめぐって争うという構成の中での展開はここで既にある程度完成されているし、オチは喧嘩のドタバタで終わるという初期の定番もここで既に見られる。
初期作品の中ではなかなかの作品。
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