もつれタンゴ
2006/12/27
Tango Tangles
1914年,アメリカ,12分
- 監督
- マック・セネット
- 脚本
- マック・セネット
- 撮影
- フランク・D・ウィリアムス
- 出演
- チャールズ・チャップリン
- フォード・スターリング
- ロスコー・アーバックル
- チェスター・コンクリン
- ミンタ・ダフィー
text
チャップリンは劇場にやってきて帽子係にちょっかいを出す。その帽子係には楽団の2人が思いを寄せていて、チャップリンがその2人に絡まれて、ドタバタが始まる。マック・セネットの監督作品であり、セネット組のスターであるロスコー・アーバックルが出演と名前のある作品になっているだけにそのドタバタ度はかなりのもの。
チャップリンのスタイルは浮浪者の原型だが、こぎれいなものであり、帽子とステッキを預けてしまうため小道具としては使えないところで少しパンチが弱まっている感じである。それに対してやはりインパクトの強いアーバックルの存在感がチャップリンの印象を多少弱めている感じがする。
全体はいわゆる古典的なドタバタ劇で、オチは喧嘩のドタバタである。この作品の演出面での面白さは場面転換だろうか。複数の空間(それぞれのセットでカメラは固定)を行き来しながら、ドタバタが展開されるので、その移動で驚きや笑いが生まれる。モンタージュというほどのものではないが、観客の頭の中で映画を組み立てさせる営為として、初歩的な面白さがある。