ブルース・ブラザース
2007/1/1
The Blues Brothers
1980年,アメリカ,133分
- 監督
- ジョン・ランディス
- 脚本
- ダン・エイクロイド
- ジョン・ランディス
- 撮影
- スティーヴン・M・カッツ
- 音楽
- アイラ・ニューボーン
- 出演
- ジョン・ベルーシ
- ダン・エイクロイド
- キャリー・フィッシャー
- ジョン・キャンディ
- レイ・チャールズ
- アレサ・フランクリン
- ジェームズ・ブラウン
全身黒ずくめのスタイルに、黒い帽子とサングラス、ジェイクとエルウッドのブルース・ブラザースはヤクザなこをとしているが、心はやさしい義兄弟。昔世話になった孤児院が閉鎖の危機と聞き、昔の仲間を集めて「ブルース・ブラザーズ・バンド」を再結成することにした…
「サタデー・ナイト・フィーバー」から生まれた超人気コンビブルース・ブラザースの映画版。ある意味ではミュージカル、豪華スター多数出演。
とにかく歌のシーンが楽しい。ジョン・ランディスといえば、『サボテン・ブラザース』などくだらないコメディを作らせたら天下一品の監督だが、この作品はバカバカしいだけではない。根本的にはブルース・ブラザースというドタバタコメディキャラを中心にしたB級コメディなわけだが、そこに一流のアーティストが参加することで、一流のパフォーマンスが織り込まれる。
私が一番好きなのはレイ・チャールズのキャラクターである。盲目の楽器店主であるレイ・チャールズが登場するシーンはギャグにひねりも効いており(視覚障害をおちょくりはするが、差別的ではない)、レイ・チャールズのパフォーマンスも、それに合わせたダンサーのパフォーマンスも最高だ。もちろん、チャカ・カーンもジェイムズ・ブラウンもいいけれど、何度見てもこのレイ・チャールズの登場シーンが記憶に残るのだ。
この映画に説明は似つかわしくない。ただギャグと音楽を楽しむ。ギャグの部分は人によっては向き不向きがあるけれど、夭逝の天才ギャグマン、ジョン・ベルーシの最高傑作の一つであることは間違いない。ダン・エイクロイドにとってもキャリアの最高の作品のひとつだろう。もしジョン・ベルーシが薬物の過剰摂取によって死ぬことなく、『ゴースト・バスターズ』に出演していたら、どんな爆発的に面白い作品になっただろうかなどと、考えたりもするが、まあとにかく笑って踊りたければ踊って、楽しく見られる作品であることは間違いない。
98年には続編である『ブルース・ブラザース2000』が作られ、誰しもが失敗作になるだろうと思ったが、これが意外に面白かったのは亡きジョン・ベルーシへの製作者・観客ともの想いの強さだったのだろうか。でも、やはりオリジナルを見返すと、オリジナルのほうがはるかに面白い。
80年代のアメリカ映画は今見ると気恥ずかしいものが多いが、この作品は70年代以前の空気を引きずりながら、80年代の浮かれ具合もうまい具合に織り込んでまさしく脳天気に明るい作品になっている。どのような映画好きにも勧められる作品だ。