ゴーン・フィッシン
2007/2/16
Gone Fishin'
1997年,アメリカ,95分
- 監督
- クリストファー・ケイン
- 脚本
- ジル・マザースキー
- ジェフリー・エイブラムス
- 撮影
- ディーン・セムラー
- 音楽
- ランディ・エデルマン
- 出演
- ジョー・ペシ
- ダニー・グローヴァー
- ロザンナ・アークエット
- リン・ウィットフィールド
子供の頃、いたずらで近所の工場で火事を起こしてしまったこともある幼馴染のガスとジョー、おっさんになっても中の良い二人は、釣りの大会でもらったクーポン券を使ってフロリダへ釣り旅行に行くことにする。しかし、その途中でだまされて車を盗まれてしまい、次から次へとトラブルに巻き込まれる…
『リーサル・ウェポン』でもおなじみのダニー・グローヴァーとジョー・ペシが主演したドタバタコメディ、くだらないがなかなか面白い。
『リーサル・ウェポン』でメル・ギブソンの脇でいい味を出していたふたり、そのふたりがストレートにコメディをやるとなればなかなか期待できるが、日本では未公開ということで、アメリカ的なギャグの連続かと予想させる。
そして映画のほうは予想をたがわず、アメリカ的なドタバタコメディ、とにかくベタなギャグを連発する。そのギャグの質はまあまあというか、ジョー・ペシが主演だから大体予想はつくという感じで、この手のコメディが好きな人ならもちろん爆笑だが、アメリカン・コメディはあまりという人だと今ひとつ笑えない感じになっている。
特にこの間抜けな主人公という設定は彼らを笑うことができるかどうかで面白く見られるかどうかが替わってくる。このふたりなどは愛すべき間抜けさをうまく演じていて、その間抜けな振る舞いを笑いながらついつい応援したくなるようなキャラクターを実現していると思うが、多くのアメリカンコメディではただ間抜けで下品なだけで応援したいという気にならない主人公もいて、そんな作品がアメリカンコメディ全体の日本でのウケを悪くしているのではないかと思う。
そんなこんなで、この作品はアメリカンコメディを毛嫌いしているひとでも安心してみることができる作品ではないかと思う。ギャグのレベルは確かに低いというか、子供っぽいところも否めないが、ふたりの主人公、特にダニー・グローヴァーの間抜けっぷりはついついにやりとしてしまう面白さがあり、見ているうちにだんだんと引き込まれていくことは請け合いだ。
ところで、こういう地味なコメディが日本で公開されないのは残念な限りである。ハリウッドでは本当に無数のコメディ作品が製作され、おそらくその半分以上は日本では公開されない。いまならアダム・サンドラーやらベン・スティラーなんていうスターが出演していれば大体は日本に入ってくるが(それでも入ってこないものもある)、脇役程度の俳優が主役を張ったり、B級の作品のほとんどは入ってこない。しかし、実はそのような作品の中にこそ爆笑の傑作が隠れているのである。コメディ好きとしてはほとんどがはずれであることは知りつつ、そんな作品との出会いを求めてコメディ映画を見続けてしまうのだ。
この作品はまあまあというところ。