ロケットマン
2007/3/14
Rocketman
1997年,アメリカ,94分
- 監督
- スチュアート・ジラード
- 脚本
- クレイグ・メイジン
- グレッグ・アーブ
- 撮影
- スティーヴン・B・ポスター
- 音楽
- マイケル・タヴェラ
- 出演
- ハーランド・ウィリアムズ
- ジェシカ・ランディ
- ウィリアム・サドラー
- ジェフリー・デマン
火星への有人飛行の計画が実現しようとしている頃、子供のころから宇宙飛行士にあこがれてきたフレッドはその着陸船を操作するシュミレータを開発するプログラマになっていた。そのシステムに関してやってきた宇宙飛行士が怪我をしてしまったことでフレッドは宇宙飛行士の候補になってしまう…
ディズニーが製作したSFコメディ。まあ、それなりのB級作品。97年の作品だが、レトロな味わい。
ディズニーの実写映画というとファミリー向けのコメディやヒューマンドラマというイメージだが、この作品もそのイメージにたがわぬファミリー向けコメディである。
ただ、この作品は規模も小さく、スタッフもキャストもメジャーどころは参加していない。ディズニーの作品にも大作が多い中、こういう小さな作品も着々と作られているというのはやはりアメリカの映画産業の懐の深さか。シネコンでいろいろな作品がある中にこんな作品もあれば、箸休めという感じで見る人も結構いるのかもしれない。
作品のほうはといえば、可もなく不可もなく、方にまったく力が入らない安心のコメディである。主人公はちょっと間抜けだが能力は高い正直な男、ヒロインはまじめな研究者、脇役は意地悪な船長とアポロ13の事故の責任者とされるNASAのスタッフなどなどである。その中で主人公が騒動を巻き起こしながら、しかし正直さで人々を和ませ、そして英雄的な行動で人々を救う。
まあ、言ってしまえばただそれだけで、ギャグも大体がべたなギャグ。しかしべたでもそれなりに笑えて、和むという感じはある。
監督のスチュアート・ジラードは主にTV向け映画を撮るカナダ出身の監督、主演のハーランド・ウィリアムズはちょい役でいろいろな映画に出たりという役者さんで、アニメの声優などもやっている。出演者の中で一番有名なのは船長役のウィリアム・サドラーだろう。記憶しているところでは『ショーシャンクの空に』でちょっと間抜けな囚人を演じていたり、『ダイハード2』で犯人を演じていた。
こんな風に役者のことについて書いているのはもちろん作品について書くことがないからなわけで、それだけ普通というか当たり前の作品だということだ。しかし、だからといってつまらない作品かといえばそうではなく、低予算のコメディ映画の教科書的な作品とでも言うべき作品で、それなりに面白く、それなりに感動的で、それなりに楽しめる。
教科書的なものというのは当たり前のものでもあるので、語るべきことはほとんどなく、見終わった後残るものも何もない。
ディズニー映画というと毒にも薬にもならない描写が逆にいやらしいという作品も多いのだが、この作品はそのようなこともなくすっきりと見ることができる。主演のハーランド・ウィリアムズはもう少しいろいろな作品で活躍してもいい役者なのではないだろうか。