プリティ・イン・ニューヨーク
2007/5/24
You Stupid Man
2002年,アメリカ=ドイツ,95分
- 監督
- ブライアン・バーンズ
- 脚本
- ブライアン・バーンズ
- 撮影
- デヴィッド・ヘリントン
- 音楽
- デヴィッド・シュワルツ
- 出演
- ミラ・ジョヴォヴィッチ
- デヴィッド・クラムホルツ
- デニース・リチャーズ
- ウィリアム・ボールドウィン
- ジェシカ・コーフィール
芸能雑誌の記者のオーウェンは女優業のためLAへ引っ越したクロエを驚かせてやろうと花束をもって撮影現場へと向かう。しかし、彼がそこで彼女が共演者とセックスしている場面に遭遇してしまう。ショックを受けた彼に親友のジャックはナディーンを紹介するが、その出会いは散々なものだった…
ミラ・ジョヴォヴィッチが珍しくラブコメに出演したという作品。日本では劇場未公開だった。
この作品の原題は“You Stupid Man”で、「愚かな奴」ということだが、まったく持って主人公のオーウェンは“愚か”な男である。が、彼にぴたりと来るのは「愚か」という意味の“stupid”よりは、「間抜け」とか「最低」という意味の“jerk”ではないかと思う。作品の中では両方の言葉が使われているが、どうも“jerk”のほうがぴたりとくるようだ。字幕のほうはその状況に応じて訳し分けられているので、なんとも言いがたいが、日本語で言えば「間抜け」がぴたりとくるだろうか。
しかし、私にしてみれば彼は最低男以外の何者でもない。まずデリカシーがないし、下品だし、機知もない。オーウェンがナディーンに鏡をプレゼントするシーンで、「へこんでいるときに君の笑顔で励まされたから、君がへこんだら鏡を見ればいい」とくさい台詞をいうが、へこんでるときに笑顔なんて出るもんかい!お前が行って励ませよ。などと思ってしまう。しかしナディーンはそれになぜだか感動する。まあ感動しなきゃ話は進まないし、ナディーンはすでにオーウェンに恋しているようだから、そうなるのだろうけれど、この作品はどこもここもこんな感じで、オーウェンの間抜けさがなぜかナディーンの心をくすぐるのである。
オーウェンはナディーンを「変わり者」と呼ぶが、ナディーンは本当に変わり者なのだろう。あるいは、こういう間抜けさが母性をくすぐるのか…
内容的には、こんな感じでどうも納得できないし、入り込めないのだが、ミラ・ジョヴォヴィッチはラブコメも問題なくこなせるし、彼女の鋭い感じはラブコメに少しひねりを聞かせる感じで面白い。デヴィッド・クラムホルツも見た目の情けなさもあるが、見事に最低男を演じきっていていい。スターに離れないと思うが、脇役か、B級作品の主役級ならいい仕事をするのではないかと思う。
個人的にはいまいちという感じもしたが、意外とはまる人もいるように思える。特にダメ男ものが好きな人はこういう映画がいいんだろうなぁという気はした。