ブラボー火星人2000
2007/12/9
My Faborite Martian
1998年,アメリカ,95分
- 監督
- ドナルド・ペトリ
- 脚本
- シェリー・ストナー
- ディアンナ・オリヴァー
- 撮影
- トーマス・E・アッカーマン
- 音楽
- ダニー・エルフマン
- ジョン・デブニー
- 出演
- クリストファー・ロイド
- ジェフ・ダニエルズ
- エリザベス・ハーレイ
- ダリル・ハンナ
TV局の記者ティムは局長に頼み込んでロケット発射現場の取材に行く。しかしそこで局長の娘ブレイスとうまくいかず仕事をクビに。その帰り道、何かの墜落現場に行き合わせるが宇宙船の模型を発見しただけだった。しかし、実は火星人が彼の車に乗っていたのだ…
60年代に人気を博したTVシリーズ「ブラボー火星人」をリメイクした映画。日本では劇場未公開であったが、とにかくくだらなくて結構笑える。
火星には地球より優れた文明があり、その技術力で地球人によって発見されることを防いでいるという設定。そして、その火星人のひとりが宇宙船の故障で地球に不時着、小型化して隠した宇宙船を主人公のティムに持ち去られてしまったため、車のトランクに忍び込んで彼の家に行く。そこからドタバタ喜劇が始まる。
これはより高度な文明を持つ異性人との遭遇というパターンの作品のひとつ。このパターンにはエイリアンが侵略してくるパターンと平和的な交流により地球人が学ぶパターンがあり、この作品はどちらかといえば後者だが、それよりもどちらのパターンでもありうる、エイリアンが「文明度の低い地球人から学ぶ」という展開を中心に据えている。この展開はSFに限らずあらゆる物語によく出てくるパターンで、そのギャップが笑いを生み、最終的にそのギャップが埋まることによって物語がうまくまとまるというもの。しかも、優れたものと劣ったものという関係の逆転を含んでいるので多くの人々に受け入れられやすい。要は最初はバカにしていたのが、よく知るといいところもあるなと思うというパターンで、その例は枚挙に暇がないくらいだ。
ともかく、そんなパターンで展開されるコメディ映画で、設定が火星の進んだ文明だから何でもあり。ものや人間が小さくなったり、洋服に人格があったり、透明人間になったりする。しかし、他の星では勝手が違うために火星人のマーティンはいろいろと失敗をやらかし、それが笑いを生む。優れているはずの人が失敗する笑い、これもギャップを生かしたおかしさである。
このようにギャップを生かしたコメディというのは素直に笑える。変に攻撃的だったり、下ネタに走ったりするコメディと比べると、やさしく、安心できる。子供に見せても安心という感じで、いかにもディズニーが作ったコメディだ。ディズニーが作るコメディというのは大体子供のかわいさでお茶を濁したり、毒にも薬にもならなくかつ笑えないギャグをちりばめたものだったりして「なんだかな」というのが多いのだが、この作品はしっかりとディズニーとしてのスタンスを保ちながら、コメディとしても面白い作品になっていると思う。
おそらくそれはこの作品が60年代にヒットしたTVシリーズのリメイク(であり同時に続編でもある)であることで、しっかりとした土台があったからだろう。私はこのTVシリーズは見たことがないが、60年代のTV作品ならば今みたいに過激なギャグや下ネタに走る事はないだろうし、古典的ではあるが面白いものだったのだろうと想像できる。
まあ、いろいろと細かいところを突き詰めていけば納得いかないところも多いし、登場人物の設定が甘すぎる(現実的ではない)という批判もできる。あるいはこの火星人マーティンと地球人ティムの関係からアメリカ賛美(と不寛容さの擁護)という底意を読み取ることもできるかもしれない。しかし、まあそんなことに目くじらを立てずおおらかに楽しみたい作品だ。