クレージー作戦 先手必勝
2008/4/8
1963年,日本,96分
- 監督
- 久松静兒
- 脚本
- 池田一朗
- 撮影
- 玉井正夫
- 音楽
- 宮川泰
- 萩原哲晶
- 出演
- 植木等
- ハナ肇
- 安田伸
- 谷啓
- 犬塚弘
- 櫻井センリ
- 石橋エータロー
- 池内淳子
- 中尾ミエ
- 柳家金語楼
- 淡路恵子
- 加東大介
- 沢村貞子
留置所に入れられて会社を首になってしまった上田ヒトシは恋人のお勝の店に居候をしながらもめごとの仲裁をする商売を始める。そこにいろいろな人たちが集まって、彼らはどんなもめごとでも解決する“よろずまとめや”を開業することに。そこに早速、愛人問題を解決したいという社長がやってくるのだが…
植木等一人ではなく、クレージーキャッツ全員を主演とする東宝のクレージー作戦シリーズの第1作。結局活躍するのは、植木等とハナ肇、谷啓だが…
えー、クレージーキャッツの映画には特に言うことはありません。もちろん物語は毎回違うわけだけれど、キャラクター設定は大体同じで主人公の植木等がお調子者、ハナ肇は真面目で不器用、谷啓は暗い性格だがなかなか優秀、そのほかのメンバーはその他大勢。この作品もその例に漏れず、お調子者の植木等がよろずもめごと仲裁会社の社長として調子よくもめごとを解決してゆき、他のメンバーがそれを支えたり、けんかをしたりする。そしてたまに歌ったり、踊ったりする。
この作品の特徴は、ひとつは一つ一つのもめごとを解決するそのアイデアが面白いということだ。愛人問題、商店街の不買運動、土地の立ち退き、それぞれを依頼人の利益と、世のため人のためにどう解決するのか、そのアイデアあるいはとんちが面白い。
もうひとつは豪華な脇役陣である。植木等の恋人に池内淳子、愛人関係の依頼をしに来る社長に加東大介、その愛人に淡路恵子、情報を持ってきて会社の一員になる若い女性に中尾ミエ、不買運動をする主婦に沢村貞子(こんなところで加東大介と姉弟共演)、せんべい屋の主人に柳家金語楼、最後には坂本九も登場する。こういう豪華メンバーの使い方は東宝がいかにこの“クレージーもの”に力を入れていたのかということを実証するわけだが、その顔が見れるだけでも今はうれしい。みなちょい役でそれほど力を発揮しているわけではないけれど、クレージーキャッツが役者としては半ば素人であるだけに、こういう脇役に支えられると映画がしまると思う。
とまあ、そんな感じで、クレージーものとしては中の上、クレージーキャッツの作品が見たいなぁと思ってみる分には落胆することは無いと思うが、これぞクレージーという作品でもなく、まあくたびれたときに見れば気が晴れるかもというところ。