ファンタスティック・フォー:銀河の危機
2008/4/20
4: Rise of the Silver Surfer
2007年,アメリカ,92分
- 監督
- ティム・ストーリー
- 原案
- ジョン・ターマン
- マーク・フロスト
- 脚本
- マーク・フロスト
- ドン・ペイン
- 撮影
- ラリー・ブランフォード
- 音楽
- ジョン・オットマン
- 出演
- ヨアン・グリフィズ
- ジェシカ・アルバ
- クリス・エヴァンス
- マイケル・チクリス
- ダグ・ジョーンズ
- ローレンス・フィッシュバーン(声)
いよいよ結婚式を控えた“ミスター・ファンタスティック”リードと“インビジブル・ウーマン”のスー。しかし、世界では異常気象と巨大なクレーターがいくつもの場所で観測された。リードはそれを宇宙放射線のせいと考えセンサーを設置する。そして結婚式当日、ニューヨークに“シルバー・サーファー”が現れる…
マーヴェルコミック原作の『ファンタスティック・フォー』シリーズの第2作。シルバー・サーファーという魅力的なキャラクターが登場して盛り上げる。
前作では変人扱いだった“ファンタスティック・フォー”もあっという間に人気者、セレブの仲間入りをしてリードとスーの結婚がワイドショーをにぎわすように。スーはスーパーヒーローとしての自分と普通の女性としての自分との間で悩んだりする。しかし、そこに新たな危機が訪れ、スーもスーパーヒーローとして私生活を捨てるしかなくなる…
こんな設定はよくあるという感じだが、これだけ非現実的な物語に結婚やら何やらという現実的な設定が入り込むとどうも、この物語のありえなさが際立ってしまうようで興ざめしてしまう部分もある。スーパーヒーローとはいえ人間であるという人間っぽさを出すことが狙いなのだろうが、“セレブ婚”にしてしまうことでどうも身近さも薄れてしまい、演出としてはいまいちではないか。
それに対してベンとジョニーのほうは人間くさくていい。特にベンは一時人間の姿に戻るという設定などもあり、とても人間くさい。元は普通の人間だったのが図らずもスーパーヒーローになってしまったというのがこのシリーズの特徴だから、もっとみんな人間くさくていいのだ。
しかし、物語が進むにつれて、みんな“人間くささ”を思い出していく。それによってシルバー・サーファーとの関係も変化し、地球は救われる。
このシリーズは今後も続くのだと思うが、ちょっともういいかなという感じがする。このシリーズは『X-MEN』なんかとくらべるとかなり子供っぽい感じがする。1話1話の物語も勧善懲悪のわかりやすいものだし、キャラクターの設定もステレオタイプ化されていてわかりやすい。大人が見るに耐えるにはもう少し複雑な物語が必要だし、それぞれのキャラクターをもっと掘り下げて、複雑な心理とか社会の中の立場だとかいうものを描かないときついのではないか。
まあ、あくまでも子供向けのヒーロー映画だと割り切ってしまえば、これでいいのだと思うが、マーヴェルものだから面白いだろうと思ってみる大人の期待にはもうこたえられない。