マインドハンター
2009/6/19
Mindhunters
2004年,アメリカ,101分
- 監督
- レニー・ハーリン
- 原案
- ウェイン・クラマー
- 脚本
- ウェイン・クラマー
- ケヴィン・ブロドビン
- 撮影
- ロバート・ギャンツ
- 音楽
- トゥオマス・カンテリネン
- 出演
- LL・クール・J
- ジョニー・リー・ミラー
- キャスリン・モリス
- ヴァル・キルマー
- クリスチャン・スレイター
FBIのプロファイラーを目指す訓練生達が最後の訓練のためある島の訓練施設に送られる。そこにフィラデリフィア市警の刑事ゲイブがオブザーバーとして加わる。翌朝、彼らをついに事件が襲うが、それはとても訓練とは思えないものだった…
すっかり俳優が板についたLL・クール・Jらそこそこ有名な俳優達が集合したB級サイコスリラー。
訓練のために乗り込んだはずの島で本当に殺人事件が起こってしまう。しかもその訓練はFBIのプロファイラーになるための最後の関門、訓練生達はみな優秀な捜査官で、狙われるのも彼ら自身、一体犯人は誰で何が狙いなのか、閉ざされた空間にさまざまなトリック、最後まで気の抜けない犯人探しとスリラーの王道を行く展開だ。
王道というと聞こえはいうが、言い換えれば使い古されたものということだ。限られた人数の中でその中に犯人がいるという状況は当然犯人の可能性のある人物は限られ、さらに殺されていくことで絞られていくわけだから、犯人がばれやすい。
だから作るのが難しいわけだが、この作品はなかなかうまく作っていると思う。うまい具合に「犯人じゃないか」と思わせておきながらその人が殺されたり、事実が覆されたりして観客を裏切っていく。ずっとハラハラドキドキというほどではないが、それなりに楽しめる。
それよりもこの作品の魅力になっているのは、その殺しの罠である。犯人はさまざまに巧妙な罠を仕掛ける。中には荒唐無稽と言いたくなるようなものもあるが、明らかな矛盾といえるようなものはなく、いつ来るかいつ来るかとスリルを生み出し続ける。ちょっと残酷なシーンが過剰だという気はしないでもないが、そのあたりはB級映画の必然だから仕方がないだろう。
B級映画と言いながら、以外に名前や顔の知れた役者達が出演している。とはいえ、主にB級映画でよく名を見る役者達ではあるが。しかしそれでも安っぽいつくりにはならず、B級でありながらも上級のB級という感じだ。
監督のレニー・ハーリンは『ダイ・ハード2』や『ディープ・ブルー』の監督。まあそれなりという感じ。フィンランド出身でジーナ・デイヴィスの元夫。トピックとしてもそれなり。
こんな風にみいて見ると今ひとつ面白そうな要素がないように思えるのだが、たまにはスリラーなんか見てもいいかなというときに見るには最適の作品と言っておこう。クリスチャン・スレイターが「☆☆☆☆☆☆☆(伏字)」なんて展開はなかなか面白かった。