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Super High Me

大麻を30日間吸い続ける!だから?
★★.5--

2009/7/8
Super High Me
2007年,アメリカ,94分

監督
マイケル・ブライデン
撮影
ブランドン・ヒックマン
音楽
ウォーカー・ヤング
出演
ダグ・ベンソン
preview
 スタンダップ・コメディアンのダグ・ベンソンは大麻ネタ専門で、自身大麻愛好家でもある。そんな彼が大麻は体に悪いのかを検証するため大麻を30日間吸い続けるという人体実験を企画する。カリフォルニア州などでは医療目的の大麻は合法とされているが、果たして…
 『スーパーサイズ・ミー』に触発されて、というよりはそのパロディとして撮られたドキュメンタリー。つまらなくはないが、だからどうした?
review

 カリフォルニア州などアメリカの一部の州では医療目的の大麻は合法で、街中にも大麻を売る大麻薬局なるものが存在する。もちろん医者の許可が必要なわけだが、この映画によるとそんな許可はかんたんに取れてしまうらしい。つまりはほとんど誰でも買えてしまうというわけで、州ぐるみの連邦法の脱法行為というわけだ。

 この映画を企画し、自ら実験台となるダグ・ベンソンはこの許可書を得ていて、普段から大麻を常用しているが、連邦が大麻を禁じる根拠となっている「体に悪い」というのが本当かどうかを検証するために30日間禁麻し、次に30日間吸煙し続けるという実験を行うというわけだ。

 昔からタバコよりも害が少ないといわれる大麻が本当に体に悪くないのか、という点も気になるところだが、もっと興味深いのは州と連邦の対立だ。連邦麻薬取締局(DEA)はカリフォルニア州が認めているにもかかわらず、大麻薬局を強制捜査し、大麻などを押収するという行為に出る。

 これは大麻を禁止したい連邦と、認めて収入としたい州の対立なわけだ。連邦が禁止したい理由は大麻が人の感覚を弛緩させる麻薬であり、これを合法化することが生産性の低下につながるし、プロテスタンティズムに反するからだろう。

 と、いろいろ考えは飛躍するのだが、この作品はそこにはあまり触れない。その対立と、対立にもかかわらず大麻薬局は増えていること、そして他の州にもその動きが広がっていることを言いはするが、あとはこのダグがハイになって舞台に立っている様子を映すだけだ。

 そして、それがいまひとつ面白くない。そもそもこのダグのネタがちっとも笑えない。アメリカ人の観客にはそこそこ受けているようだが、それは文化の違いというよりは観客も大半がハイになっているからではないかと思う。はっきり行って大半が笑いどころがわからない。

 そんなだから、映画も全体的になんとも弛緩した感じになっている。まあハイになってみれば面白いのかもしれないが、素面では結構きつい。「大麻の合法化」という題材自体は面白いと思うのだが、この作品を見た結果思うのは「まあどっちでもいい」ということだ。そもそも国家が禁じるような類のものではないと思うが、だからといって「認めろ」といおうとも思わない。

 問題意識も、題材も、映画自体もなんだかぼやけた感じだ。

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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