レッドクリフ Part 1
2009/7/24
Red Cliff: Part 1
1989年,アメリカ,124分
- 監督
- ジョン・ウー
- 脚本
- ジョン・ウー
- チャン・カン
- コー・ジェン
- シン・ハーユ
- 撮影
- リュイ・ユエ
- チャン・リー
- 音楽
- 岩代太郎
- 出演
- トニー・レオン
- 金城武
- チャン・フォニー
- チャン・チェン
- ヴィッキー・チャオ
- フー・ジュン
- 中村獅童
- リン・チーリン
時は3世紀初頭、漢朝の皇帝を操る丞相曹操は脅威となりうる二つの勢力、劉備と孫権にいよいよ兵を向ける。新野で敗戦を喫した劉備は孫権と手を組むべく諸葛孔明を呉に送る。曹操と戦うべきか従うべきか悩んでいた孫権だったが、大都督周ゆの助言に従い、劉備と組み曹操と戦うことを決意する。
三国志のハイライトのひとつ「赤壁の戦い」を2部作で描く歴史スペクタクル。
この映画は基本的にアクション映画だ。張雲が劉備の息子の阿斗を助けるシーンに始まり、次から次へと合戦のシーンが展開される。関羽や張飛がばったばったと敵をなぎ倒す、それがこの作品の最大の見所だろう。
しかしはっきり言ってそれは三国志の面白さとは別物だ。三国志の面白さというのは義兄弟、仇、ライバルといった人と人とのつながりであり、孔明に代表される軍師たちがめぐらせる術策の妙である。この軍師たちの術策はおそらくPart2で描かれるということなのだろうが、このPart1にはそれがあまりに少なくて物足りない。
八卦の計のところはなかなか面白かったから、やはりこういった戦術によって相手を陥れ勝利するというところにこそ、この映画のカタルシスはあるのだと私は思うのだ。
曹操もなんだかただのエロジジイに描かれているが、戦術を練らせたら名だたる軍師と肩を並べる人物であるはずなのだ。それが欲と驕りによって曇らされている、そこが見所であるはずなのに。これまたPart2をお楽しみということだろうか。策謀と策謀が合い見える、そんなシーンがPart2には続々と登場することを期待したい。
こういうあらかじめ2部作とか3部作とかが計画されている作品にありがちな中途半端さ、この作品はまさにそれだ。何かが起きるぞという期待感だけを抱かせて結局何も起こらないで終わる。そんな作品で1本の映画とするのはどうも納得がいかない。
この作品が全体的に作り物じみていること、それもこのスペクタクルがに迫力があれば気にならないはずなのに、妙に気になる。特殊メイクのぎこちなさだとか、CGが使われるシーンの粗だとか。
結局こういう作品は全部見ないと評価が下せない。全部見てみたらこの作品だって「面白かった」となるかもしれない。しかし、このPart1だけ観た段階ではちょっといただけない。役者は悪くないんだけどね。
あまり期待しないでPart2もみよう。