チェブラーシカ
日本で制作されたチェブラーシカの新作。とにかく和みます。
2010/10/26
2010年,日本,63分
- 監督
- 中村誠
- 脚本
- 中村誠
- 金月龍之介
- 島田満
- ミハイル・アルダーシン
- 出演
- 大橋のぞみ
- 北乃きい
- 土田大
- 藤村俊二
ロシアのとある町にオレンジの箱に入って送られてきた不思議な生き物チェブラーシカは孤独なワニのゲーナの「ともだち募集」の張り紙を観て友だちになる。ふたりはある時、まちにやってきたサーカスを見て夢中になってしまい、団員になろうと決意する。しかし、何の芸もない二人、一生懸命に練習するのだが…
1969年に製作されたロシアアニメ『チェブラーシカ』の制作スタッフの協力のもと日本で制作された新作。和みます。
約1時間の長編アニメは2つのパートに分かれている。前半はチェブラーシカとゲーナが友達になり、サーカスの団員にどうしてもなりたいというマーシャの手伝いをするという話。後半は引退したマジシャンが孫娘を探す手伝いをするという話。どちらも心優しい二人が困っている人を助けようとするわけだ。
ゲーナはインテリのワニという設定だが、チェブラーシカの純粋な気持ちから出る意見には素直にしたがってチェブラーシカはとにかく自由だ。そしてその行動はほのぼのしていてなんとも微笑ましい。
前篇後篇、両方に登場するもう一人のキャラはシャパクリャクおばあさん。いたずらというか嫌がらせじみたことばかりしているクソババアなわけだが、このキャラクターが実にいい。ゲーナとチェブラーシカが本当に素直でいい人(?)たちなのと対照的に描かれることで本当に憎らしく見える。このキャラクターの対比がとてもよかった。
アニメーションの造形は、新しいこともあってなんだか人形劇みたいだったが、コマ撮りのパペットアニメでこれだけの長編をこれだけの完成度で作るというのはやはりすごいことだ。CG全盛の時代にこういうアナログなアニメもいいとはよく言うが、まったくその通り。なんともほっこりする。
まあ昔のロシアのオリジナルのほうが味があったといえばそうなのだが、新作が作られるというのもいいもの。特に日本の子供にとっては日本語でしゃべるチェブラーシカのほうが当然親しみやすい。文字はなぜかロシア語のままだけれど、まあそれはそれでオリジナルの雰囲気が残っていいし。なんか、日本のリメイク技術の高さを改めて感じもした。