GILRS ★ GILRS
2003/2/16
Madchen, Madchen
2001年,ドイツ,89分
- 監督
- デニス・ガンゼル
- 脚本
- マギー・ペレン
- クリスチャン・ジュベール
- 撮影
- アクセル・サンド
- 音楽
- 出演
- ディアーナ・アムフト
- フェリシタス・ヴォル
- カロリーネ・ヘルフルト
- アンドレアス・クリスト
- マックス・リーメルト
- マルティン・ラインホルト
同じ高校に通う仲良し3人組のインケン、ビッキー、レーナ。インケンの18歳の誕生日にビッキーのままがプレゼントしたビデオは女性にとってのオーガズムのすばらしさを説くという怪しげなビデオだった。セックスの経験はあっても今の恋人のティムが下手くそでオーガズムの経験をしたことがないインケンはオーガズムを得ようといい男を捜し始める…
ドイツで大ヒットしたガールズ・ムービー。日本では大胆さがウリとなったが、実際はそれほど過激ではなく、ちょっとエッチな青春コメディという感じ。
最近のドイツ映画は『バンディッツ』のような、これまでの暗く硬いイメージとは違う映画が出てきている。この映画もそのような作品の一つで、監督もこの作品が長編デビュー作だが、短編映画ではいくつかの賞を取り期待されている監督である。
とはいえ、ドイツ語の響きはなんとなく硬く、俳優たちの外見もなんとなく暗い。コメディをとってもあまりコメディのようには見えない。この映画のようにティーンを使うことで、映画全体のイメージがやわらかくなるということはあるかもしれない。けれど、やはりドイツの娯楽映画というものに余りなれていないせいか、違和感はぬぐえない。ドイツの娯楽映画がアメリカやフランスと対抗できるようになるにはもう少し時間がかかるような気がする。
いち早く人気を得るのはやはりアイドル的な人が登場することが重要なわけで、この映画の中からそんな人が出てくると、一気に人気が高まると思える。この映画の女の子3人の中の誰かもうまく行けばそんなアイドル的な人気を得られるかもしれないし、バンドのボーカル役のニックなんかもその候補になるだろうが、今のところ難しいかもしれない。
ということですが、映画としてはなかなか面白く、もうそろそろ飽きが来てしまったハリウッドのティーンズムービーとは違うスパイスの効いたティーンズ・ムービーという感じでいい。しかし、どこがウリということがあまりなく、コメディとも青春ものともいえる感じがちょっと中途半端。なので、日本ではウリとして過激さを表に出してビデオでは『過激GIRLS★GIRLS』となったわけだが、果たしてそんなに過激というわけではなく、ドイツではこんなものなんじゃないかと思わせる。
この映画が描くドイツのセックスに対するあけすけさというのはなんだか現実的というか、こんなものなんじゃないかと思わせる。だからドイツでは別に過激というわけではないんじゃないかと思ったりする。この映画を「過激」をウリとして売ってしまう日本のセックスに対する偏見というか、隠そうとする姿勢のほうに疑問を覚えてしまうのは私だけなのか? これを「過激」という言葉で片付けず、普通の青春映画として見られるくらいにならないとだめだと思いました。