チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル
2003/7/2
Charlie's Angers : Full Throttle
2003年,アメリカ,106分
- 監督
- マックG
- 脚本
- ジョン・オーガスト
- コーマック・ウィバーリー
- マリアンヌ・ウィバーリー
- サイモン・キンバーグ
- 撮影
- ラッセル・カーペンター
- 音楽
- エド・シェアマー
- 出演
- キャメロン・ディアス
- ドリュー・バリモア
- ルーシー・リュー
- バーニー・マック
- デミ・ムーア
- マット・ルブラン
- ジャスティン・セロー
- ロバート・パトリック
- ジョン・フォーサイス(声)
モンゴル北部の荒くれ者ばかりがいる酒場にもぐりこんだエンジェルたちは、そこに捕まってた米国の要人の救出に成功。しかし、その時奪われた指はが実は重要で、もう一つの指輪とあわせると証人保護プログラムによって保護されている人々の身元が記憶されていた。そしてもう一つの指輪も奪われてしまう。エンジェルたちはそれがマフィアに売り渡される前に取り戻すという任務を負う…
70年代のTVシリーズをリメイクして大ヒットした『チャーリーズ・エンジェル』の続編。同じメンバーで同じ弾け方をしているので、同じく面白い。前作と比べると少し真面目にアクション映画してしまっているのが不満だが、デミ・ムーアなど多彩な出演者が面白みを増す。
この映画はアクション映画なんだけれど、基本的には笑いの映画だ。ギャグ的なものも織り込まれているけれど、決してコメディというわけではない。にもかかわらずエンジェルたちのキャラクターによって「笑い」が映画の中心に据えられている。前作ではビル・マーレーが主要な登場人物として登場し、下手に面白いことですることでエンジェルたちの笑いの主人公としての役目が薄められてしまっていたけれど、今回はビル・マーレーがいなくなったことでエンジェルたちが本格的に笑いでも主人公になった。
前作の時のも書いた気がするけれど、この映画の笑いは「過剰さ」の笑いだ。前作ではアクションのあまりのありえなさに笑いが絶えなかった。今回は前回と比べるとアクションの過剰さは少々削られ(それでも冒頭のヘリコプターのシーンなんかは相当面白い)、まっとうなアクション映画を目指しているかに見えなくもない(もちろんそれは無理だが)。笑いの部分はそれよりも他の過剰さにゆだねられ、その中心はキャメロン・ディアスになった。前作からかなりはじけたキャラだったが今回はさらに輪をかけてバカ(ほめ言葉)になり、とにかく面白い。不必要なセクシー・ショットも満載、コスプレも満載。ドリュー・バリモアがデカ尻を逆手にとって物語にもネタにも生かしているのも面白い。
という感じで私はあくまで「笑い」をこの映画に求めるわけですが、映画としては前回と比べるとプロットに凝って、悪事の黒幕探しというアクション映画の王道ともいえる展開を用意して(バレバレだけど)、元エンジェルなんかも出てきて、ディランの過去なんて話も出てきて、ちょっとドラマとしてもがんばろうとしているのかなという気がします。私としてはそんな余計なことはしないで、とにかくがんがんアクションやって笑わせてくれたほうがいいのです。もっともっと突き抜けて、第3作目もがんばってねという感じです。
前作もヒットしながら評判はいまいちという感じで、今回はさらに輪をかけてそんな感じになると思いますが、この映画を笑うことのできる余裕のある大人、そして心の広い映画ファンでありたい。皆さんにもそうあって欲しい、と思います(前作のときも書いた)。
あとは、チョコチョコとゲスト出演でいろんな人が出ているので、それを探すのも楽しいかも(ブルース・ウィリスは重要な役なのかと思ったら…)。ちなみにデミ・ムーアはもちろんオリジナルTVシリーズのエンジェルではありませんが、もうひとり登場するジャクリン・スミスのほうはオリジナルのエンジェルです。
さらには、90年前後のヒット曲、MCハマーとかボン・ジョヴィとかが流れるのも個人的にはツボでした。このあたりの浮かれたヒット曲たちは私の世代がまさにそうなのもあるかと思いますが、聞くとなぜか笑ってしまう。特にMCハマーはミュージックビデオまでが流れて、ツボでした。