Charlie’s Angels
2000年,アメリカ,98分
監督:マックG
脚本:ジョン・オーガスト、ライアン・ロウ
撮影:ラッセル・カーペンター
音楽:エド・シェアマー
出演:キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー、ビル・マーレイ
とある飛行機のファーストクラス。アフリカ系の大男が挙動不審の男の隣に座る。合言葉というと、その男は胸に抱えた爆弾を見せた。アフリカ系の大男は爆発直前に爆弾を持った男を抱え、飛行機の扉を開けて外に飛び出した。空中で爆弾は爆発した。
謎の男チャーリーに雇われ難事件を解決するナタリー、ディラン、アレックスの美女3人組。その名はチャーリーズ・エンジェル。
70年代に人気を博したTVシリーズのリメイク版。ドリュー・バリモアが製作権を買い、自らキャストを集めたという入魂の作品。
この映画をどう見るかといえば、笑うしかない。アクション映画だと思って真面目に見てしまうと、確実にどうしようもない映画になってしまう。いかに早くそのことに気付くのかが勝負。
といっても、冒頭の飛行機のドアを開けて外に飛び出す時点でそのことにはすっかり気付くわけで、そこから先は全く持って破天荒な滅茶苦茶な、アクションによる笑いを楽しめばいい。それはもちろん、わかりやすいワイヤー・アクションでみんなが空を飛び(今のアメリカ人は空くらい飛べたないと映画には出れないらしい)、爆風に跳ね飛ばされ、ドアや壁にぶち当たる。それでも怪我ひとつしない。
この映画でむしろ邪魔なのは、逆として存在するギャグの部分。パーティーでの相撲レスラーとか(後ろにいたのがどう見てもトンガ人なのは面白かったけど)ビル・マーレイのコメディアンらしい動きとか。そんなことをしなくてもこの映画は笑える。
とはいえ、この映画は基本的にはアクション映画のようで、作る側もそのように作っているらしい。いわゆる「マトリックス後」のハリウッド・アクションの典型的な例で、ワイヤーアクションと映像加工を駆使して、ありえないことをさまざまやってしまう。一番面白かったのは、レーシングカー同士が橋の上でチキンレースをするところ。ありえなさもここまで行き着くとものすごい。大爆笑してしまいました。「マトリックス後」のアクションの過剰さ。その過剰さを笑いに持っていくのも一つの方法。作る側は狙っていないかもしれないけれど、できた映画を見れば、見事に笑えるところに落としている。あるいはわたしのツボに落としている。
おそらく、この映画を批判する人はたくさんいるでしょう。アクションがつたない。ストーリーが荒唐無稽。話の辻褄が合わない。リアリティがなさ過ぎる。いろんな映画の真似に過ぎない。何で肝心のときに銃をつかわねーんだ。アジトのわりに警備が薄すぎるぞ。
まあ、どれも当たっているんですが、それでもあえて、この映画を笑うことのできる余裕のある大人、そして心の広い映画ファンでありたい。皆さんにもそうあって欲しい。そのような願いを込めております。だって、ドアは全部蹴って開けるんだよ。
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