CUBE2
2003/10/1
Hypercube: Cube2
2002年,カナダ,95分
- 監督
- アンドレイ・セクラ
- 脚本
- ショーン・フッド
- アーニー・バーバラッシュ
- ローレン・マクラーフリン
- 撮影
- アンドレイ・セクラ
- 音楽
- ノーマン・オレンスタイン
- 出演
- ケリー・マチェット
- ジェラント・ウィン・デイビス
- グレース・リン・カン
- マシュー・フェルガソン
- ニール・クローン
- バーバラ・ゴードン
真っ白い謎の四角い部屋で目覚めた心理療法士のケイト、いきなり男にナイフで脅されるが、彼もまたこの謎の空間をさ迷う男(サイモン)であることを知る。さらに、扉のところに現われて青年が、瞬時に違う扉に移動するのを見て、この空間が謎に満ちたものであることに気づく。その後であった盲目の少女サーシャ、技術者のジェリーらと脱出のための方法を探るのだが…
日本でも単館上映ながら大ロングランとなった前作『CUBE』の続編として製作された映画。しかし、出演者はもちろんのこと、監督からプロデューサ、カメラマンまですべてが変わり、設定以外は何の共通点もないというのがじっさいのところ。
“CUBE”は前作からさらに複雑さを増したわけだが、それが(英語の)タイトルにもなっている“ハイパーキューブ hypercube”ということになる。それは何かといわれても、結局なんだかわからない。4次元というのはSFではおなじみのものだし、“時間”というのがもう一つの軸として加わるということはSFファンならずともなんとなく知っている。しかし、それがゲームの規則となるとなると、何がなにやらさっぱりわからない。
前作でも素数やらなんやらよくわからないものが出て気はしたけれど、一応のところ数学の範囲に入るものであくまで数字の問題だったのでなんとなく身近な気がしたし、わからないなりに考えようと思えるものだった。しかし、今回はものの初めから何のことを言っているのかさっぱりわからず、わからないままに映画は進行していってしまう。一生懸命意味を理解しようとしてもわからないままに映画は結末へと向い、気づいたら終わってしまい、なにやら続編までありそうな雰囲気を漂わせる。
作り手のほうはわかっているのかわかっていないのか、たぶん世界中の誰もわかっていないことのような気がするので、作り手もわかっているとは思えない。自分がわかってもいないことを映画を作る材料にして、それを観客に理解してもらおうとするなんていうのは観客をバカにするのもはなはだしい。前作が面白かっただけに、なんとなくすごそうなことをかっこよさげな映像で作くっとキャ何とかなるだろうという魂胆が見え見えのまぎれもない駄作。
じっさいのところ映像も底が浅いし、物語も稚拙そのもの。ナタリ監督! 自分でちゃんとした続編作ってよ!