新・鞍馬天狗 五条坂の決闘
2003/10/24
1965年,日本,75分
- 監督
- 黒田義之
- 原作
- 大佛次郎
- 脚本
- 八尋不二
- 撮影
- 武田千吉郎
- 音楽
- 高橋半
- 出演
- 市川雷蔵
- 万里昌代
- 山本学
- 芦屋雁之助
- 芦屋小雁
- 五味龍太郎
倒幕を狙う薩長に協力して京都で正体を隠して倒幕の活動をする鞍馬天狗、最大のライバルである新撰組に加え、「山岳党」なる新たな一味が天狗の命を狙い始める。将軍上洛にあわせ、京都の警護を強化したい京都所司代は鞍馬天狗の殺害を特命として山岳党に協力を求める。
市川雷蔵主演の『新・鞍馬天狗』シリーズの第2弾、順調にシリーズ化されるかと思ったが、これで打ち切り。前作からスタッフ総入れ替えで少し感じも違う映画になっている。
市川雷蔵にはシリーズものが多い。60年代あたりのスターにはみんなシリーズものが多いけれど、市川雷蔵は特に多い。『陸軍中野学校』『眠狂四郎』『忍びの者』『若親分』と5つのシリーズ物を抱えていた。『陸軍中野学校』は66年から始まったのでこの映画が撮られた当時抱えていたのは4つ。それにさらにこの『鞍馬天狗』シリーズが加わるはずだったが、これはなぜだか2作で終わってしまった。
『鞍馬天狗』といえばなんといっても嵐寛寿郎(3作目までは嵐長十郎名で)のシリーズで約30年で40作が作られた。市川雷蔵でもそのイメージを振り払うことができなかったことができなかったのだろう。1作目と2作目でスタッフが総入れ替えになったのもシリーズ化するにはマイナスだったのだろう。しかし、この作品を見る限りまだ続きそうな終わり方だっただけにまさに「打ち切り」という感じがしてしまう。
これに限らず人気シリーズの再映画化は難しい。たけしの『座頭市』がシリーズ化されるとは思えないが、もしシリーズ化するのなら相当気合を入れなければならないだろう。同じ勝新で最近『悪名』の再シリーズ化が試みられたが(知っている人もあまりいないかもしれないけれど、的場浩二と東幹久の主演で監督は和泉聖治)、“大”がつく失敗に終わった。
ということで、この映画も結構面白いものの、最シリーズ化は難しいということを証明する結果に終わってしまった。