ケンタッキー・フライド・ムービー
2004/1/21
The Kentucky Fried Movie
1977年,アメリカ,78分
- 監督
- ジョン・ランディス
- 脚本
- デヴィッド・ザッカー
- ジェリー・ザッカー
- ジム・エイブラハムズ
- 撮影
- スティーヴン・M・カーツ
- 音楽
- イゴー・カンター
- 出演
- ジョージ・レーゼンビー
- ヘンリー・ギブソン
- トニー・ダウ
- ドナルド・サザーランド
ニュース番組のパロディで始まり、CMのパロディ、『燃えよドラゴン』のパロディなどなど合計22本のパロディがオムニバス形式で次々繰り出される、とにかくパロディづくしのおバカ映画。
ZAZとして知られるデヴィッド&ジェリー・ザッカーとジム・エイブラハムがステージ「ケンタッキー・フライド・シアター」をまだ無名だったジョン・ランディスを監督に招いて映画化した作品。ZAZはこの後『裸の銃を持つ男』シリーズを生み出すなど売れっ子に。ジョン・ランディスも『サボテン・ブラザース』などでアメリカを代表するコメディ監督になったことで、伝説的な映画となった。
この映画を見てまず思い出されるのは「サタデー・ナイト・ライブ」だろう。同じように短いネタを次々と繰り出して時間を埋めていく。CMのパロディ、映画のパロディというネタの作り方も同じ、下ネタも辞さない下品さも同じ。「サタデー・ナイト・ライブ」が始まったのは1975年であり、ジョン・ランディスが「サタデー・ナイト・ライブ」から生まれた『ブルース・ブラザース』の映画版を1980年に監督していることから考えて、この二つは無関係ではないだろう。テレビ番組であるSNLと、舞台から生まれた『ケンタッキー・フライド・ムービー』、出自は違えど、同時代的に出現した、この似たようなコメディはあるひとつの時代を象徴的に表しているものといえるのだろう。
などと書いてみたが、いわゆるアメリカン・コメディ、アメリカン・ジョークと言われてイメージするようなギャグがこの映画にはオン・パレードで登場する。そのほとんど(と言うと語弊があるけれど少なくとも半分以上)はあまり笑えない。けれども、面白いネタもある。どれもべたなネタの中で私が一番気に入ったのは、トークショーのような番組でのマイクネタ。番組とは関係なくマイクでいろいろなネタを繰り広げるだけの数分の作品だ、なかなかうまいところを付いていると思った。
というのが私の感想だが、どのネタがヒットするかは人によりけり。ほとんどのネタがヒットして腹がよじれるという人もいれば、ひとつもヒットしないという人もいるだろう。どちらにしても、ダメもとで見てみればひとつくらいは拾いネタがあるはず。「下手な鉄砲も数うちゃ当たる」というのもこのころのアメリカのコメディの常套手段、一回ヒットさせれば跡は雰囲気で爆笑の連発というところが狙いなのだろう。
ただ、中盤でかなり長い時間を割かれる『燃えよドラゴン』のパロディは、長すぎるしネタとしてもいまいちのような気が…