ウェディング・クラッシャーズ
2007/10/11
Wedding Crashers
2005年,アメリカ,119分
- 監督
- デヴィッド・ドブキン
- 脚本
- スティーヴ・フェイバー
- ボブ・フィッシャー
- 撮影
- ジュリオ・マカット
- 音楽
- ロルフ・ケント
- 出演
- オーウェン・ウィルソン
- ヴィンス・ヴォーン
- クリストファー・ウォーケン
- レイチェル・マクアダムス
- アイラ・フィッシャー
離婚仲裁人のジョンとジェレミーは毎年ウェディング・シーズンになると、知らない人の結婚式にもぐりこみ、ただ飯を食っては参列した女性を“お持ち帰り”するということを繰り返していた。例年のようにウェディング・シーズンが終わったところで財務長官の娘の挙式の記事を見てそれに参加することにするが…
全米で大ヒットし、MTVムービー・アワードで作品賞に輝いたナンセンスラブコメディ。日本では劇場未公開。
ウェディング・クラッシャーといっても結婚式をぶち壊しにするわけではなく、そこに紛れ込んでただ飯を食い、ただ酒を飲み、女の子を持ち帰るという行動を繰り返すというだけ。出席者をしっかりチェックする日本ではなかなかできないことだが、オープンな欧米の結婚式ではさもありなんという感じだ。
で、どんな映画かといえば、数々の女性を引っ掛けてはねるということを繰り返していた主人公がもう若くもないなと感じ始めた頃、本当の恋に落ちてしまうという話。これまたさもありなんという感じだが、ラブコメディというのは金太郎飴のようにどこを切っても同じようなものが出てくるもので、中身は同じでも舞台が変われば変わって来て見えるものだ。
この作品の場合、恋した相手に恋人がいるという設定はありがちなものだが、まず、相棒がぶっ飛んだ妹に惚れられてしまうといううまいサブプロットがある。ぶっ飛び娘に惚れられてしまった相棒とかなわぬ恋に悩む主人公の対比が見れる舞台を用意しているわけだ。実際そう見てみると、この主人公ジョン(オーウェン・ウィルソン)とクレア(レイチェル・マクアダムス)の恋の行方などといものは対外展開も読めるし、結末も見えるので面白くもなんともないのだが、相棒のジェレミー(ヴィンス・ヴォーン)とぶっ飛んだ妹のグロリア(アイラ・フィッシャー)の関係のほうはいったいどうなるのか先が読めなくて面白い。
などなどという感じだが、とどのつまりこれはおバカ映画である。ばかをする若者を描いたバカなギャグ映画、出演しているのもコメディというかおバカ映画で見たような面々、特にオーウェン・ウィルソンは『ズーランダー』や『スタスキー&ハッチ』などでベン・スティラーと共演、すっかりベン・スティラーの相棒という感じだ。ヴィンス・ヴォーンは少々変り種という気もするが『ドッジボール』でやはりベン・スティラーと共演、『スタスキー&ハッチ』にも脇役で出演していたりするから、実はこの3人は仲がいいのかもしれない。ベン・スティラーは日本では今ひとつ人気がないが、彼を中心におバカ映画をどんどん作って日本にも届くようにして欲しいものだ。
変り種といえば、グロリアを演じたアイラ・フィッシャーはオマーン生まれのスコットランド系オーストラリア人という変り種。『スクービー・ドゥー』や『ハッカビーズ』というおバカ映画に出演し、この作品ではMTVムービー・アワードのブレイクスルー演技賞を受賞しているから、これからおバカ女優としてどんどん出てくるかもしれない。
作品の話に戻ると、クリストファー・ウォーケン演じる父親の財務長官のキャラクターが薄かったのが残念なところだ。彼がもっと絡んでくればもう少しプロットもややこしくなり、ギャグのバリエーションも増えたのだと思うのだが…
ウェディング・クラッシャーの師匠役で登場したウィル・フェレルはいい味を出していた。ウィル・フェレルもそういえばベン・スティラー作品の常連、実はこの作品はベン・スティラー組のベン・スティラー抜きの映画ではないのか?
なので、ベン・スティラーが好きならば、この作品も見るべきと言っておこう。