ラッキー・ユー
2009/1/1
Lucky You
2007年,アメリカ,124分
- 監督
- カーティス・ハンソン
- 原案
- エリック・ロス
- 脚本
- エリック・ロス
- カーティス・ハンソン
- 撮影
- ピーター・デミング
- 音楽
- クリストファー・ヤング
- 出演
- エリック・バナ
- ドリュー・バリモア
- ロバート・デュヴァル
- デブラ・メッシング
プロのポーカー・プレイヤーのハックは世界大会に出るための資金を稼ごうとしていた。そこに伝説のポーカー・プレイヤーでハックの父親であるLCが現れる。ふたりの間には確執があり、意地になったハックは大損をしてしまう。そんな時、馴染みの歌手の妹ボビーに出会う…
ラスベガスを舞台にしたラブ・ストーリー。監督は『イン・ハー・シューズ』のカーティス・ハンソン。
プロのポーカー・プレイヤーで文字通りポーカーフェイスのハックだが、確執のある父親JCの前ではそのポーカーフェイスを保てず、勝負に固執してしまう。女性とも真剣な付き合いが出来ない彼が素朴なボビーとであって徐々に変わっていくという話。
物語のほうは、父親との確執とボビーとの恋愛というふたつが中心でそれをつなぐものとしてポーカーの全国大会というのがある。ハックが父親に反発するのはその父親が昔ギャンブルのために妻と子を捨てたからである。それによってハックは人を信じられなくなっているらしい。しかしハックにポーカーを教えたのは父親のJCで、そのためにハックはポーカー・プレイヤーとなったわけだ。
ボビーとの出会いとJCとの再会、そのふたつがうまく組み合わさってなかなか考えさせられるストーリーを作り上げている。ギャンブルという人を信じられない世界の中に現れたボビーという純粋な存在がハックを変えていくというわけだ。
このストーリーは及第点というところ。特別面白いわけではないが不満もない。ただ、毎晩何万ドル単位の勝負をしているハックが1万ドルという大会参加費を工面できないというのがよくわからないし、ボビーがポーカー・プレイヤー並みにひとの心を読んでしまうというのもちょっと納得がいかない。
ただ、このような映画には珍しくカードゲームの詳細について説明がなされているというのが面白い。この映画でプレーされているのはテキサス・ホールデムというポーカーだが、あまり聞いたことのないこのゲームのルールを前半に物語の中で説明しておくことで後半の大会のスリルが味わえるようになっているわけだ。このテキサス・ホールデムというのは場に明かされたカードがあるので、通常のポーカーよりもスリリングで映画向きだ。
ギャンブルがメインのいわゆるコン・ゲームでもないし、純粋なラブ・ストーリーでもなく、かといって親子関係を描いたヒューマン・ドラマでもない。そのすべての要素をバランスよく持った娯楽映画というところだろう。すべての要素を持つというのは面白くもあるのだが、一つ一つの要素は曖昧になってしまう傾向も否めない。この作品では特に親子関係の部分が今ひとつ追及されていない感じがあったのが残念だった。
ギャンブルではあるが心理ゲームの要素が強いポーカーに興味が持てる映画でもあると思う。