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アザーズ

2003/9/30
The Others
2001年,アメリカ=スペイン=フランス,104分

監督
アレハンドロ・アメナバール
脚本
アレハンドロ・アメナバール
撮影
ハヴィエル・アグィレサローペ
音楽
アレハンドロ・アメナバール
出演
ニコール・キッドマン
フィオヌラ・フラナガン
クリストファー・エクルストン
エレイン・キャシディ
エリック・サイクス
preview
 1945年、イギリスはチャネル諸島のジャージー島、巨大な古い館に住むグレースは出生した夫の帰りを待ちながら、光アレルギーだという2人の子供と真っ暗な館の中で暮らしていた。不意に出て行ってしまった使用人たちを探していたところ、3人の候補者がやってくる。グレースはすぐさま彼らを雇い入れるが、屋敷では奇妙な現象が次々と起こり始める…
 『オープン・ユア・アイズ』のアレハンドロ・アメナバール監督によるゴシック・ホラー。観客を迷わせようとさまざまな罠が巧妙に仕掛けられ、ホラーというよりはサスペンスの面白さがあるかもしれない。
review
 最近はやってますねぇ、こういうの、“あの”映画に似ていますねぇ。どの映画か書いてしまうと、話のオチがわかってしまうので、書きませんが、両方見た人ならキットすぐに結びつくでしょうという似方です。
 ということなので、物語についてはほとんど書くことができないのですが、そのあたりはこの映画のサスペンスの部分ということになります。映画全体の構造がどのようになっているのかを推理していく、そういう推理の面白さもこの映画にはあります。

 しかし、映画の売り方としては基本的にホラーということで、怖さを売りにしているようなのですが、この映画の怖さというのは見えないものの恐怖。娘のアンには見えるけれど、グレースには見えない。そんなものの恐怖、それはグレースにとっては自分の近くを越えたものに対する恐怖なわけです。しかし、グレースはそれを見えるものにしようと頑張る。自分には見えないけれど、先日『CUBE』のときに書いた“人智”を超えるのではない(ここでは厳密には“神”が絶対的なものとして存在しているので、神のコントロールの外にあるものではないという意味になると思いますが)ということを信じようとする。その葛藤から恐怖が生まれるわけです。あるいは息子のニコラスのように、とにかくわからないものは怖いという発想から恐怖が生まれる。
 ということは、見ている側としてはグレースかニコラスの立場に自分をおかないと恐怖を感じることはない。屋敷の中で恐怖を感じていないアンの立場に自分をおいてしまうと、恐怖を感じることは出来ないわけです。
 このあたりがこの映画のホラーとしての弱いところで、じっさいいまいち怖くない。屋敷の中に見えない何かがいるということを認めてしまうと、グレースが怖がるような何かが起こっても「ふうん」と思って過ごせてしまうのです。

 ということでホラーとしてはあまり怖くないかもしれない作品、監督の物語作りの腕は認めるけれど、エンターテイナーとしてはまだまだ修行が足りんと思ったりしました。
Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ2001年以降

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