マーサ・ミーツ・ボーイズ
2003/11/9
Martha - Meets Frank, Daniel & Laurence
1998年,アメリカ,88分
- 監督
- ニック・ハム
- 脚本
- ピーター・モーガン
- 撮影
- デヴィッド・ジョンソン
- 音楽
- エド・シェアマー
- 出演
- モニカ・ポッター
- ジョセフ・ファインズ
- ルーファス・シーウェル
- トム・ホランダー
- レイ・ウィンストン
早朝、ローレンスは精神科医のもとを訪れる。彼は彼自身と2人の親友との関係について話し始める。彼の話ではことの発端は親友の一人ダニエルがミネアポリスの空港で出会った一人の女性だった。金持ちで色男のダニエルはその女性マーサに一目惚れし、何とか飛行機で隣になろうと彼女にファーストクラスをプレゼントし、ロンドンまでいい雰囲気で行くことができたのだが、結局彼は振られてしまう…
男3人と女1人で繰り広げられるラブ・コメディ。舞台はロンドンだが基本的にはアメリカ映画で、かなりドタバタした感じだが、すっきりまとまっていて好感は持てる。
なかなか好きですこういうの。なんてことはないけれど、小さなネタでクスリとしてしまう。こういったラブコメ/ロマンティック・コメディなるものは結末はもう始まって10分か15分くらい経ったらわかってしまうもので、結末がどうなるのかドキドキハラハラという映画では決してない。なので、こんな映画に話が出来すぎているとか、展開に面白みがないとか言うのはまったく見当はずれな批判というか、そんな人はそもそもラブコメなんか見なきゃいいということになってしまう。
ということはつまり、こういう映画は観る場所と人を選ばなきゃならんということになって、大体が他のジャンルと比べることはなかなか難しい。
ということなので、ラブコメ的にこの映画はいったいどれくらいかと考えると文句なしの中の上。よっぽど暇なときにはよろしい用で。選挙の日に昼下がりに投票に行って「夕飯まで結構時間があるなぁ」などと言うときに、みかんなどを食べながら見るのに最適です(かなり限定)。
とはつまり、特に書くこともないということです。このニック・ハムという監督はこれがデビュー作でこの後にゾーラ・バーチ主演の『穴』というのを撮っています。この2本を見る限りあくが強くはないけれど、それなりに個性的で、味がある作品を撮るのではないかという感じがします。
主役のモニカ・ポッターも今ひとつメジャーではありませんが、このブロンドでショートカットというのはラブコメに非常にはまるタイプ。キャメロン・ディアスのようにはじけたコメディエンヌになってしまうもよし、メグ・ライアンを目指すもよしです。
そして、ジョセフ・ファインズはというと『恋におちたシェイクスピア』が印象的でしたが、その後は泣かず飛ばずという感じでいまいちブレイクしません。兄のレイフ・ファインズが実力派じみた感じを出してきたことを考えると、もう少し寝かして味が出てきたころにいい俳優になるのかもしれません。
というところで気づいたのですが、モニカ・ポッターは本当にアメリカ人で、男3人は本当にイギリス人というキャスティングなんですね。だからクイーンズイングリッシュも身について、自然な感じになったのね。省エネといえば省エネですが、映画の作り方としてはなかなかうまいんじゃないでしょうか。決して奇をてらうことなく、オーソドックスに撮るという監督の姿勢がじんわりとにじみ出て、さらに高感度アップという感じ。