最‘新’絶叫計画
2003/12/1
Scary Movie 2
2001年,アメリカ,75分
- 監督
- キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ
- 脚本
- アリソン・フォウス
- グレッグ・グラビアンスキー
- デイヴ・ポルスキー
- マイケル・アンソニー・スノウデン
- マーロン・ウェイアンズ
- ショーン・ウェイアンズ
- 撮影
- スティーヴン・バーンスタイン
- 音楽
- ジョージ・S・クリントン
- 出演
- アンナ・ファリス
- ショーン・ウェイアンズ
- マーロン・ウェイアンズ
- クリス・マスターソン
- トーリ・スペリング
- キャスリーン・ロバートソン
- レジーナ・ホール
アメリカのとある街、少女がパーティの最中に突然パジャマで現われおしっこを漏らす。なかなか止まらないおしっこに悪魔祓いをするために神父がやってくるが、今度は首がぐるぐる回る。
一方、大学のキャンパスでは、前回の虐殺事件を生き残ったシンディやショーティがキャンパスに復帰していた。そんな中、オールドマン教授は心霊現象が起きる“ヘルハウス”に彼らを連れて行き、その現象を解明しようと考えていた… 「最低映画」の称号をほしいままにした前作『最終絶叫計画』から1年、すんなりと続編が登場。日本ではもろもろの事情で10分程度カットされた上、1年以上も公開が遅れたいわくつきの作品。今回ももちろん「最低映画」。
基本的なスタンスは前回と変わっていません。前作の時点ではこの映画がヒットするアメリカのコメディセンスをいつもにまして疑ったわけですが、今回はちと事情が違う。
しかし、基本的にはパロディで、アメリカ人はパロディが大好き。それだけおんなじ映画を何度も見て、覚えてしまっているから、パロディでも笑えるということだと思うのですが、これが日本人にはほとんど理解できない。よっぽど有名な映画の有名なシーン(この映画でいえば、『チャーリーズ・エンジェル』や『M-I:2』)ならまだしも、たいしてヒットしてない映画やちょっと前のホラー映画なんかはパロディにされてもそもそも元ネタがわからんということになるわけです。
なので、日本でパロディが受けないというのは至極当たり前の話、そして周知の事実。ということで前作はすこぶる評判が悪く、この作品もそれほど公開が待たれていたというわけでもないでしょう(ファンもいるとは思いますが)。そんななか、この作品は前作よりはましになっている。とはいっても、パロディの部分は相変わらずで、笑えるところは数少ない。というより、パロディのシーンで面白いシーンはあるけれど、それはそれがある有名な映画のパロディだからというわけではなく、単純にネタとして面白いから。あえて言うならば、何かの映画のパロディというよりは、ハリウッド映画の一種のパターンのパロディとして面白いシーンがあるということです。
それを一番感じたのは猫のシーン。これは多分『ロッキー』のパロディですが、『ロッキー』のというよりは、ハリウッド映画に登場する殴り合いのシーンのパターンのパロディである。これを猫対ヒトでやっているというだけのことで、それだけのことだからこそ面白い。ここで妙に凝ってしまって、ロッキーじみていくと面白くなくなってしまう。
もう一つ好きなのは鳥(オウム?)。なんかのパロディといわれればそんな気もしますが、とりあえずヒトがやることを動物に肩代わりさせるという一つのパターンとしてのパロディ精神がこのシーンに結実しているのではないかと思います。それでとりあえず笑えるということ。何故だかわからないけれどタキシードを着ているのもいい感じ。
ということで、なかなか笑えるシーンもあり、前作よりはましになったわけですが、それでもやはり依然としてネタの大半はオ下劣ネタやら差別ネタ。なので、世界各国で当たり前のようにPG指定が付きました。なのに日本ではPGなし。そのために一生懸命カットしたのかもね。
でも、私が親だったら絶対子供にこんな映画は見せないね。クレヨンしんちゃんは見せても。ただ下品なだけなのと、教育上問題があるのは違うですから。 オトナなヒトは、どうにもこうにも何もやる気がしないというような時に見てみると、逆になんだかしっくり来るかもしれません。「こんなんじゃいかん!」と思うのか「だめでもいいんじゃん」と思うのかは見るヒトしだいですが…