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スリー・リバーズ

★★星星星

2006/10/29
Striking Distance
1993年,アメリカ,105分

監督
ロディー・ヘリントン
脚本
ロディー・ヘリントン
マーティン・カプラン
撮影
マック・アールバーグ
音楽
ブラッド・フィーデル
出演
ブルース・ウィリス
サラ・ジェシカ・パーカー
デニス・ファリナ
トム・サイズモア
preview
 ピッツバーグの警官一家の一員である刑事のトムは今日も父親と仕事に出かける。その途中、事件の呼び出しを告げる無線が入り、トムは犯人の追跡に参加する。しかし遂に犯人を追い詰めたところで犯人の車もろとも横転してしまう…
  ブルース・ウィルスの人気が絶頂だった頃に作られたアクション映画。題名の『スリー・リバース』は3つの川が合流するピッツバーグの街を意味する。
review

 プロットは悪くないと思う。代々続く警察一家に生まれた一人の刑事が身内の不正と父親の死というきっかけから警察に疑問を持つ。しかし同時に仲間から冷たい目で見られて厭世的にもなる。そんな男が執念を持って事件を追う…
  しかし、なぜか映画としてはあまりおもしろくない。おそらくその最大の原因はブルース・ウィリス以外のほかのキャラクターに魅力がないからだろう。準主役級で唯一名前があると行っていいサラ・ジェシカ・パーカーもあくまでも物語のコマのひとつであり、作品にひねりを加えるような面白みは発揮しない。
  準主役でその程度だから、他の脇役は推して知るべしという感じで、どの登場人物もなんだかさえない形どおりの人物ばかりである。
  これはやはりスター作品の弊害だろう。この作品が作られた当時ブルース・ウィリスはかなりの売れっ子で、彼の名前だけで大作が作れるくらいの名前を持っていた。1988年の『ダイ・ハード』のヒット以来、彼はアクションもコメディもできる俳優として引っ張りだこ、1990年の『ハドソン・ホーク』などこけた作品もあったが、同じ90年の『ダイ・ハード2』は再びヒットし、1993年には『パルプ・フィクション』、1995年には『12モンキーズ』などというヒットを飛ばしている。
  この『スリー・リバース』は結果的に失敗作のひとつに数えられることになったわけだが、まあそれなりに客は入ったのだろう。そのようなブルース・ウィリスにおんぶに抱っこの作品だから彼の力に完全に頼って、脇役はおざなりになる。そんなワンマン映画ではやはりおもしろくない。

 ブルース・ウィリスといえばTVドラマの「こちらブルームーン探偵社」で名前を売った役者で、このドラマを毎週見ていた私は『ダイ・ハード』で彼が売れたときはうれしかったものだが、その後は今ひとつおもしろい作品がなかったという印象があった。しかし最近は大スターという看板を下ろして、脇役として多くの作品に出ているのはいいと思う。彼はやはり一人で大作を背負うほどの行く者ではない。脇でおチャラケながらしかし渋い活躍も見せる、そんな役どころのほうが生きるのだと思う。
  この『スリー・リバース』もブルース・ウィリスが脇役に回って別の主役で作られていたらそれなりにおもしろい映画になっていたのではないかと思う。

Database参照
作品名順: 
監督順: 
国別・年順: アメリカ1990~2000

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