バイオハザード III
2008/12/26
Resident Evil: Extinction
2007年,アメリカ,94分
- 監督
- ラッセル・マルケイ
- 脚本
- ポール・W・S・アンダーソン
- 撮影
- デヴィッド・ジョンソン
- 音楽
- チャーリー・クロウザー
- 出演
- ミラ・ジョヴォヴィッチ
- オデッド・フェール
- アリ・ラーター
- イアン・グレン
- アシャンティ
人間はほとんどがアンデッドと化し、多くの土地が砂漠化していた。そんな中アンブレラ社ではアリスのクローンを使った実験が繰り返されていた。アリスのほうはひとり移動を続けるばかりの日々だった。
『バイオハザード』シリーズの第3作。閉鎖空間でのアクションという前2作から一転、世界を舞台にした叙事詩の幕が開くという感じ。
第1作では、アリスがT-ウィルスに侵された人や動物をばったばったとなぎ倒し、その裏にある陰謀を暴くという非常にシンプルなアクション映画だった。ウィルスに侵された人や動物がアンデッドといういわばゾンビになることで、いわゆるゾンビ映画の一つのパターンとなっていたわけだ。
第2作も内容的にはあまりかわらなかったように記憶している。ただし、この2作で重要だったのは“T-ウィルス”なるものがいったいどのような作用をするものかが明らかになっていないということだった。そしてそれが第3作以降の展開に重要な意味を持つと。
そうだったのだが、実際に時間があいて続編を見て見るとそんなことはすっかり忘れていて、アリスが超能力のようなものを持つのもいったいなぜなのかと頭をひねってしまう。1から見直せば整合性もあり、納得できるところもあるのだろうが、そんなに面白くもない作品をもう一度4時間も見る気にはならず、あたりをつけながら想像で補って見てしまう。
そこで感じたのは、この作品は前2作とは決定的に違うということだ。それは前2作ではアリスとアンブレラ社との戦いに過ぎなかったのが、ここに来て世界が滅亡の危機に瀕することで、アンブレラ社対それ以外の戦いになるということだ。そしてこの作品はその大きな物語が展開されることになる4以降へのプロローグという感じがする。
なので、物語的にはあまり面白くない。アクションシーンもこれまでと比べると控えめだ。しかし、ウィルスに感染した鳥の大群に教われるシーンは圧巻だ。これは舞台が外の世界になりスペースが一気に広がったことによって可能になった描写だ。鳥の襲撃といえば思い出されるのはもちろんヒッチコックの『鳥』だが、その不気味さを思い出させるシーンだった。
鳥というのは空を飛べるということや鋭いくちばしをもっているということ、あるいは群れを作るということにより、容易に恐ろしい存在になりうる。鳥の集団に襲われるというのは人間にとって恐怖の源泉になりうると感じる。
まあはっきり言ってそれくらいしか見所がなかったわけなのだけれど、まあ退屈だったら1から3まで一気見なんてのをしてみたらそれなりに楽しめるのではないだろうか。切れ切れに見るとちょっとつらい。
でもやっぱりゾンビってなんか魅かれる… だからこんなにゾンビ映画が作られるのだろうけれど…