クリストフ
2008/9/20
Christophe
1985年,フランス,28分
- 監督
- ニコラ・フィリベール
- 撮影
- ローレン・シャヴァリエ
- アマル・ハハブ
- 音楽
- アンドレ・ジロー
- 出演
- クリストフ・プロフィ
登山家のクリストフ・プロフィがモンブランをフリークライミングで上ってゆく姿を捉えたドキュメンタリー。
クリストフはただひたすら壁のような山を登っていく。派手な服装であまりに軽々と上っていくので、大変なことではないような錯覚を覚えてしまう。
そんな錯覚を防いで大変さを伝えようとしているのか、フィリベールはワイヤレス・マイクでクリストフの息遣いを捉え、悪態を記録する。さらには、彼がなぜか登攀の途中で聞いた留守電の音声を挟み込んでフラッシュバックのようにして彼の心理を表現しようとする。
でも、はっきり言ってそんな演出は必要なかったと思う。絶対に大変なことを軽々とやっているように見せるクリストフのすごさを伝えるだけでこの作品は十分だったのだと思う。山を登って降りて、街に帰ってきた彼が、ホテル(たぶん)から締め出されて、壁をよじ登って窓から入る。そのエピソードを加えただけで、この作品はただの記録ではない映像作品であることは立証できる。
フィリベールが若かったということと、80年代という時代性もあって、どこか実験映画のような雰囲気にしてしまったのは残念だが、なかなか面白い。
“クリストフ・シリーズ”リスト
『クリストフ』
『カマンベールの北壁』
『たった1人のトリロジー』
『バケのカムバク』