ショウタイム
2004/6/22
Showtime
2002年,アメリカ,95分
- 監督
- トム・デイ
- 原案
- ホルヘ・サラレーギ
- 脚本
- キース・シャロン
- アルフレッド・ガフ
- マイルズ・ミラー
- 撮影
- トーマス・クロス
- 音楽
- アラン・シルヴェストリ
- 出演
- ロバート・デ・ニーロ
- エディ・マーフィー
- レネ・ルッソ
- ペドロ・ダミアン
- モス・デフ
ロス市警のベテラン刑事ミッチはおとり捜査中に、俳優志望のパトロール警官トレイに声をかける。ミッチを怪しい男と思ったトレイは後をつけ、応援を要請して、その無線を傍受したテレビ局がその現場にヘリを飛ばす。取引はおじゃんとなり、怒り心頭のミッチはテレビカメラを撃ってしまう。それをTV局のプロデューサがミッチの密着取材を企画、ミッチは命令でしぶしぶ出演することにしたが…
ロバート・デ・ニーロとエディ・マーフィという異色の顔合わせによるアクション・コメディ。豪華な顔合わせから期待されるほどの爆発的な面白さはないが、そこそこ面白い。
最近はロバート・デ・ニーロといえばコメディなのかも知れない。苦虫噛み潰したような顔でコメディを演じることが、この渋い名優のキャラクターとして定着しつつある。その傾向が始まったのは5年位前、1999年に『アナライズ・ミー』と『フローレス』が公開され、翌年には自らのプロデュースで『ミート・ザ・ペアレンツ』に出演、その後も『アナライズ・ユー』に出演し、『アバウト・ア・ボーイ』のプロデュースに参加している。
私はロバート・デ・ニーロといえば、なんと言っても『ミッドナイト・ラン』の面白さを思い出す。この作品はコメディというわけではなく、アクションに笑いをちりばめたという感じなのだが、チャールズ・グローディンとの掛け合いはコメディとしても十分に通用するくらいの笑いの質はあった。だから、喜劇を演じる才能ももともとあり、おそらく本人も笑いが好きなのだと思う。渋い顔をしているけれど、イタリア系だから元は陽気なラテン男というところなのか。
というわけで、ロバート・デ・ニーロのコメディはすっかり安心して見られる作品になったという感がある。そして、今回は稀代のコメディアン、エディ・マーフィーが相棒なのだから、これは爆笑、と期待すると、それほどでもなかったという感じである。デ・ニーロもエディ・マーフィーもそれぞれはそこそこ面白いのだが、シナリオがいまいちなのである。
基本的にはTVショーとミッチとトレイの関係に強力な銃をめぐる事件が絡んでくるトレイは人気者になり、ミッチはそうでもない、事件は着実に解決に向かい… というわけだが、それ自体はいったいそれがどうしたんだ?という話なのである。製作者もそれに気づいたのか、最後にはミッチとトレイの関係が変化していくという話が入り込んでいくのだが、それなら最初からそれをメインにして、TVも事件もサブプロットにしてしまえばよかったのにと思う。全体の流れが滞っているから、対立関係も明らかにならず、その結果笑いも浮かび上がってこない。そんな悪循環が見られたのが残念。